11月1日、多摩六都科学館(東京都西東京市)で、子ども向けイベント「素粒子をさがそう」を開催しました。本イベントは、子どもたちが理科や数学に苦手意識を持つ前から素粒子物理や加速器科学に触れ、親しみながら科学への興味を育むことを目的に企画されたもの。多摩六都科学館と高エネルギー加速器研究機構(KEK)が締結した相互協力協定の下に毎年秋頃実施しています。今年は未就学児とその保護者を中心に合計85人が集まりました。
「素粒子をさがそう」は、素粒子や加速器という難しいテーマを子どもにも分かりやすく、楽しく学べるよう工夫を凝らしています。
初めに動画「うちゅうはなにからできているの?」を上映。ライオンとウサギが、自分たちが暮らしている宇宙がどうやってできたのか、何からつくられているのか、加速器とはどういったものなのかなどを紹介します。そして、これまでの研究で17種類の素粒子が見つかったことを学んだ後、館内に隠されたそれらの素粒子のキャラクターのパネルを探すゲームを行います。
パネルには素粒子の名前とその特徴を親しみやすく表した「得意技」が書かれています。配布したワークシートに書き写すと「標準理論表」が完成します。ゲームを通してあまりなじみのない素粒子の名前やその特徴を知っていただき、素粒子物理学を知るきっかけづくりとなることを目指しています。
今回のイベントでは、全ての素粒子を見つけてワークシートを完成させた子どもたちは、素粒子キャラクターの缶バッジが当たるガチャガチャに参加しました。当たった缶バッジがどの素粒子なのか、楽しそうにワークシートと見比べる様子が見られました。
イベント終了後に保護者向けに実施したアンケートでは、「知らない分野だったので視野が広がった」「素粒子、加速器というものがあることを初めて知った」といった声や「子供が科学に興味を持つきっかけになった」「子供と一緒に楽しく学べてワクワクするイベントだった」などの感想が多く見られました。また、今後のイベント企画改善につながるような貴重なご意見もいただきました。
これからもKEKでは、科学に触れる体験を通じて、未来の科学者たちの好奇心を育む活動を続けていきたいと思います。
「素粒子をさがそう」は、KEK 幼児~小学校低学年向け広報ツール開発事業として実施されたものです。