科学技術週間プレイベント「SCIENCE & TECHNOLOGY PRE EVENT 2024」に参加しました

KEKはつくばまちなかデザインが主催する科学技術週間プレイベント「SCIENCE & TECHNOLOGY PRE EVENT 2024」に参加しました。文部科学省が定める科学技術週間に合わせて行われる研究機関の一般公開に先立ちつくば市内の研究機関を一堂に集めた体験イベントで、今年が初開催でした。KEKは、ブースエリアとトークセッションに出展しました。

24℃を超える季節外れの暑さの中、にぎわいを見せた当日の様子を紹介します。

ブースエリア

ブースエリアの様子

ブースでは、加速器についての説明と、真空落下実験を行いました。

参加者からは「加速器はどんな仕組みで粒子を加速するのですか?」「加速する電子はどうやって作りますか?」「加速器を使うとどんな研究ができるのですか?」など、多くの質問が寄せられました。

真空落下装置の説明を聞く参加者

真空落下実験は、パイプの中で羽とボルトを落とす実験です。空気がある状態だとボルトの方が速く落ち、羽はひらひらとゆっくり落ちていきます。

次に、パイプの中の空気を抜き真空にしていきます。

真空計を覗き込む参加者

真空になったパイプの中で羽とボルトを落とすと、ほぼ同時に落下しました。これには大人も子どもも驚いた様子でした。教科書等の知識で知ってはいたものの「実際に自分の目で見たのは初めて」と話した参加者もいました。

加速器の中では、粒子をほぼ光の速さに加速するために粒子が通るパイプを真空にしています。加速器のためになくてはならない「真空」を視覚で体験してもらいました。

真空落下装置を操作する参加者

今回の「真空落下装置」はKEK共通基盤研究施設機械工学センターで企画、開発されたものです。加速器の基盤技術である真空をより身近に感じてもらいたいという思いで、昨年度の一般公開のときに開発されました。簡単に繰り返し実験でき持ち運びもしやすく工夫されており、今までにない仕組みの装置です。 

KEKで行われている実験ではオーダーメイドの部品を使うことも多々あり、機械工学センターでは実験装置の開発支援及び製造支援、さらに基盤技術となる機械工学分野における研究開発を担っています。 

トークセッション

「組織を越えて未来へつなぐ、研究機構 TALK RELAY!」に共通基盤研究施設 機械工学センター長の平木 雅彦教授、KEK内の世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)量子場計測システム国際拠点(QUP)大金 薫URA、板橋 浩介研究員が登壇しました。

平木教授の登壇の様子

平木教授からは、KEKにある加速器や、宇宙・物質・生命の研究を紹介。「茨城の名産は『反物質(陽電子)』」という話には会場からも生放送のコメントでも驚きの声が上がりました。

QUP大金URA、板橋研究員の登壇の様子

QUP大金URAからは、QUPが目指す新しい“眼”として、開発している超高感度センサーやデータ解析のためのAIの紹介がありました。板橋研究員からは「“最強”のデバイスを求めて」と題し、自身の放射線で壊れても復活するセンサーの研究について話しました。

ニコニコ生放送でも配信され、7,800人以上が視聴、3,000以上のコメントが寄せられました。アーカイブは以下から。

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