令和5年度第5回技術セミナーを開催 ~半導体デバイスの動作を可視化するオペランド顕微鏡の開発~

講演中の福本特任准教授

講演者:福本 恵紀(ふくもと・けいき)特任准教授
   (KEK 物質構造科学研究所 放射光第二研究系)
日時:令和5年12月8日(金)13:30 – 15:00
会場:つくばキャンパス 4号館1階セミナーホール(オンラインとのハイブリッド形式)

令和5年度第5回技術セミナー「半導体デバイスの動作を可視化するオペランド顕微鏡の開発」が開催されました。

オペランド顕微鏡とは、動作中の半導体デバイスのキャリアの動きなどをその場で観察する実験に使われる顕微鏡です。福本特任准教授が開発した装置は、フェムト秒光電子顕微鏡(Femtosecond photoemission electron microscopy : fs-PEEM)と呼ばれ、レーザー光を試料に照射し、放出される光電子の空間像を高速で観測する顕微鏡です。レーザー光の波長の走査や二つのレーザー光による光学ポンプ-プローブ法を用いることで、価電子帯や伝導帯など特定のエネルギー準位にある電子を励起・イオン化することができます。これらの測定から照射試料のエネルギー準位、電子密度を知ることができます。またポンプ光、プローブ光の照射タイミングを変えることで、動作中の半導体デバイス中の電子や、正孔、空乏層の動きを知ることができます。今回の講演では半導体デバイスの歴史・最新の2次元積層型半導体の解説から始まり、fs-PEEMの測定原理、実験装置の詳細について説明がありました。また実際のfs-PEEMの測定例として有機アンチバイポーラトランジスタを観測した実験結果についての報告、さらに応用事例として新しい電子線源として期待されるレーザー励起フォトカソードの開発についての紹介がありました。

参加者は、会場8名、Zoomでの参加が機構内より34名、機構外より7名の合計49名でした。

リンク

技術セミナーのページ
https://www2.kek.jp/engineer/tsukuba/seminar/

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