技術部門、技術セミナー「パルスパワー電源技術の最新動向と先進加速器への応用」を開催

講演会場

12月14日に、講師に(株)パルスパワー技術研究所(以下PPJ)代表取締役の徳地 明(とくちあきら)氏を迎え、令和4年度第3回技術セミナーが開催されました。

「パルスパワー電源技術の最新動向と先進加速器への応用」と題した今回のセミナーには4号館セミナーホールとZoomを合わせ110名、特に外部機関から63名の参加者があり、この分野への関心の高さがうかがえます。

PPJは、シリコンカーバイドなど半導体素子の特性を生かしたパルス制御と、これまで電子管デバイスが必要とされた高電圧・大電流を両立したパルス電源を開発、様々なニーズに応じ加速器分野だけでなく、自動車産業や医療分野も含め多くの導入実績があります。今回のセミナーでは加速器関連施設に納入した電源について技術的なポイントの紹介のほか、今後開発が進むと思われるさらに短いパルスでの高電流化と電流波形の制御方法についても話が広がりました。また国内唯一のパルスパワー電源専門の会社を設立し、加速器学会発表などをきっかけに取引先を広げ現在に至るまでの経緯、今後は海外へも事業を展開する構想が語られました。

質疑応答では、技術者の新規採用や育成では小規模な会社であるが故の難しさがあること、近年の半導体不足や部品メーカーの事業撤退が進む現状については、数年先の需要を見越した部品調達や国内半導体メーカーとのタイアップを模索するなど、普段なかなか聞けないお話をいただきました。最後に、引き続き加速器分野の研究活動へのサポートを期待する声が寄せられ、閉会となりました。

徳地 明(とくちあきら)氏(左から2人目)

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