KEKの創立50周年を祝って11月8日に東京都千代田区の一橋講堂で記念式典を開催したのに続いて、9日と10日の2日間、KEKつくばキャンパスの小林ホールで「KEK50周年記念シンポジウム」が開催されました。コロナ禍で人の移動が難しいなか、世界中の研究者も参加できるようにと講演はすべて英語でZOOMによる配信が行われました。2日間でのべ約800人が参加しました。
9日の開会の挨拶では、山内正則機構長が「粒子加速器はこれまで基礎科学の劇的な進歩を実現してきました」とKEKの50年を振り返ったうえで「標準模型は人類が作り上げた最高の理論の一つですがまだ課題が残されており、これらを解明する次世代の加速器を実現するには国際社会の協力がぜひとも必要です」と強調し、これからの50年を展望しました。
続いて髙﨑史彦名誉教授が「Personal memory of the days from the INS to KEK」、さらに佐藤皓名誉教授が「KEK-12GeV Proton Synchrotron to J-PARC」と題して講演をしました。その後、TRISTAN、KEKB、SuperKEKB、PF、KENS、LHC、ILC、ニュートリノ実験、物構研、機械工学、計算科学、放射線科学、ミューオン科学、超伝導工学、理論物理学、管理部門、広報室などのそれぞれのテーマについて、その実績や現在の課題、未来を展望しました。
シンポジウムの最後に50周年記念事業準備委員会の宇野彰二委員長が挨拶し、KEKの新しいキャッチコピーを使って「KEKはこれからの50年も『加速器だから見える世界。』を加速し続けます」とスピーチを結びました。
このシンポジウムでは、2日間で26件の講演と32件のポスター発表が行われました。ポスターセッションは9日、Zoomを使ってオンラインで行われました。