つくばキャンパスの新中央変電所が稼働を始めました

旧中央変電所は40年超の稼働を終えました

2023年5月から始まったKEKつくばキャンパスの特別高圧受変電設備の更新工事が無事終了しました。これは中央変電所と呼ばれ、電力会社の送電線から152 kVで受電し66 kVに変圧して、キャンパス内の特別高圧変電所に送る重要なインフラです。

送電線と受電部分
左が旧中央変電所、右が新中央変電所

新中央変電所への切り替え

2024年夏までに新しい中央変電所の屋外の設備は完成しましたが、春から秋にかけて中央変電所 中央受電棟内設備の更新が行われてきました。

壁のように立ち並ぶメーターや回路図が描かれた制御盤
中央受電棟の制御室内(2024年3月撮影)
リニューアル前に比べてデジタル表示が増えた制御盤
リニューアル後の制御室内(2025年2月撮影)

今年1月に新しい受電設備へ配線の切り替えが行われ、新しい主回線での受電が始まりました。続いて2月に副回線が切り替えられ、切り替え工事の全工程が完了しました。

電気設備は重要なインフラです。この切り替え工事には多額の費用と長い時間がかかりますが、壊れてしまってからでは手遅れです。毎年数日間停電して定期点検を実施し、設備劣化の予兆を捉えて早めの対策をとることが重要になります。

6本の送電ケーブルが鉄塔から伸びる棒に支えられて碍子に接続している
ケーブルの切り替え作業が行われた高さ14 mの鉄塔
太いうす緑色のパイプが立ち並ぶ旧中央変電所と新中央変電所の境界線をみたところ
左側の碍子(がいし)から右側の碍子へ切り替えられた
新しい碍子は3本のツノが生えているようなかたちをしている
152 kVの受電部分
新中央変電所を隣の中央受電棟の屋上から見たところ
送電線から届いた152 kVの電気は三つに分かれて変圧器へ
変圧器は高さが大人の背丈の倍以上ある金属の箱に入っている
三つある変圧器の一つ
旧変電所ではうす緑色のパイプが立ち並んで多くの面積が必要だった送電の機能が、小さい面積で処理されているようす
コンパクトな箱に収められたガス絶縁遮断器(各特高変電所に66 kVで送電している)

役目を終えた旧中央変電所

3月からは旧中央変電所の解体工事が始まります。40年以上動き続けた変電所に、お疲れさまでした!

うす緑色のパイプが多数立ち並ぶようす
旧中央変電所全景
手前に見えるのが筑波特高変電所
旧中央変電所と筑波特高変電所の接続が切られた場所。筑波特高変電所の切断面は新たに蓋が設けられて分かりにくいが、解体予定の旧中央変電所側はビニールシートで覆われているようす
左が旧中央変電所
ビニールシートが被せられているところから管が伸びていて右側の筑波特高変電所とつながっていた

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