KEKつくばキャンパスでは、研究活動を支える電気を受電する中央変電所の更新工事を行っています。中央変電所は、つくばキャンパス全体の電気を152 kVで受電し、66 kVに変圧して、5つの特別高圧変電所(特高変電所)に送電しています。
中央変電所はつくばキャンパスの実験・研究を支える心臓部であり、もし故障して電気が止まると研究活動も止まってしまいます。現在動いている中央変電所は、1984年、周長およそ3 kmの日本初の衝突型加速器TRISTAN(トリスタン)稼働に合わせて建設されました。40年動き続け、老朽化も進んでいるため、更新が計画されました。新しい中央変電所も40年以上の稼働を目指して設計されています。
新しい中央変電所の建設
工事のために長期間電気を止めることはできないので、既存の中央変電所の隣に新しい変電設備を建設し、全ての準備が整ったら東京電力からの受電用電線を切り替える予定です。
2022年12月から建設工事が始まり、このたび新しい変電設備の機器の設置が完了し、新しい中央変電所の外観が見えてきました。新しい中央変電所には変圧器が3台あり、受電する常用・予備の2系統どちらからも電流が取れる構造となっています。
新しい変電設備への切り替えは来年初めの予定で、約1週間かけて常用・予備の2系統の電線を切り替えます。その後約2カ月をかけ、順次、各特高変電所への送電線の切り替えを行います。
既存の変電所の今後
現行の中央変電所は、役目を終えたら解体が予定されています。また、中央変電所制御室のシステムも一新される予定で、更新されながら使われてきた操作盤類も姿を消します。現行設備の撤去工事は2025年前半に終了の予定です。
中央変電所の敷地内には隣接して特高変電所の一つである「筑波変電所」があります。筑波変電所はつくばキャンパスの「筑波地区(SuperKEKB加速器の筑波実験棟などがある)」の電気を賄っています。筑波変電所は現行の中央変電所と切り離されますが、既存の設備のまま稼働を続けます。新しい中央変電所と筑波変電所は、他の特別高圧変電所同様、地下を通るケーブルでつながり給電されます。