KEK一般公開で「理系女子ミニツアー&交流会 」を開催しました

 

KEK の一般公開では例年4000 人程度の来訪者がありますが、中学生や高校生、また女性の来訪者が少ない傾向にあります。そこで、本年度は初めて女子中高生向けのSuper KEKB加速器の見学ツアーを一般公開に併せて開催しました。

ブレスレット作成後に撮影した集合写真
理系女子ミニツアーの集合写真

SuperKEKB加速器見学ツアー

SuperKEKB加速器の見学のようす
加速器の説明をする西脇 みちる准教授

SuperKEKB は、電子と陽電子のビームを衝突させることで多くのB中間子を生成する加速器です。参加者は加速器研究施設の西脇みちる(にしわき みちる)准教授の案内で、SuperKEKBのトンネル内を移動し、加速空洞・電磁石・入射器などの装置を見学しました。

「加速キッチン」のブレスレット作り

真剣にブレスレットを作る中高生と見守る加速キッチンスタッフのようす
ブレスレット作りのようす

見学終了後は場所を変えて、中高生の素粒子物理研究を支援する「加速キッチン」代表で早稲田大学の田中 香津生(たなか かずお)准教授から、加速キッチンが提供するさまざまな中学生、高校生向けの宇宙・素粒子の探究活動についての説明を受けました。そのあと、加速キッチンが考案したブレスレット作りに取り組みました。

加速キッチンのブレスレットは、SuperKEKBをイメージした2重のリングになっていて、SuperKEKBに配置されているBelle II測定器・加速空洞・磁石に見立てたビーズを使ってデザインします。ブレスレット作りをサポートしてくれたスタッフは加速キッチンで活動する貫輪 美博(ぬきわ みひろ)さん、高校生の松下 千穂里(まつした ちおり)さん 、橋詰 麻日花(はしづめ まひな)さんで、ツアーに参加した女子中高生との間で活発な交流が生まれました。

女子中高生がブレスレット作りをしている部屋には、浅井 祥仁(あさいしょうじ)KEK機構長、超伝導磁石や超伝導加速空洞システムの開発に貢献した山本 明(やまもとあきら)KEK名誉教授など、多くの人が訪れました 。

ブレスレットをした手で円陣を組んだようす
完成したブレスレット
立ち話をするようす
左から浅井 機構長、加速キッチンの田中香津生 代表、山本明 名誉教授、加速キッチンスタッフの松下千穂里さん、貫輪美博さん、橋詰麻日花さん

「加速キッチン」の高校生の活躍

スタッフの貫輪美博さんと松下千穂里さんらは欧州合同原子核研究機関(CERN)が主催する世界中の高校生を対象にした国際素粒子実験コンテストBeamline for Schoolsで最優秀賞に選ばれ、一般公開直後の9月11日から25日までCERNに実験に行きました。出発直前ということで、ブレスレット作りの間にも、実験について話が弾んでいました 。高校生のCERN訪問については早稲田大学サイト掲載の記事をご覧ください 。

フリートークと科学大好き女子応援・相談コーナー

午後には、研究本館ラウンジにおいて、KEKの元村 有希子(もとむら ゆきこ)理事、素粒子原子核研究所の浦川 優子(うらかわ ゆうこ)准教授、加速器研究施設の久保 毅幸(くぼ たかゆき)助教による、「フリートーク『博士の夢と生活』」を開催しました。研究者のライフサイクルに関わる話題が展開されました。

また、その後は『科学大好き女子応援・相談コーナー』において、総合研究大学院大学の中島 樹利菜(なかじま じゅりな)さん、板谷 さくら(いたたに さくら)さんが参加して、来訪者の進路についての疑問に答えました。

テーブルを囲んで座り談笑するようす
科学大好き女子応援・相談コーナー

KEKでは、DE & I(Diversity Equity & Inclusion:多様性、公正性、包摂性)についての基本方針を制定し、より多くの方が科学に参加しやすい環境づくりに取り組んでいます。

KEKでは今後もさまざまな機会をとらえて、科学に携わる人の多様性を広げていきます。

関連する記事・ページ