KEK広報室でサイエンスコミュニケーターの役割も担っている「ゆーみるしー」こと青木優美さんがこのたび「つくば科学教育マイスター」に認定され、9月13日につくば市役所で認定書の交付が行われました。
つくば科学教育マイスターは、同市内の大学や公的研究機関などに所属し、市内における科学教育に関して顕著な功績のあった人を顕彰する制度です。2015年に創設、これまでに6人が認定されています。KEKでは2017年の髙橋将太さんに続き、青木さんは2人目、女性では初めてのつくば科学教育マイスターの認定となりました。
青木さんは「好奇心の種をまく」ことを目指し、サイエンスカフェのファシリテーターや、出前授業「KEKキャラバン」での実験教室、講演などの活動を行っていることなどが評価され、今回マイスターに認定されました。
認定式では、青木さんの大学院での研究に関連しており、よく出前授業で実施している「霧箱実験」を披露しました。霧箱実験は、KEKで行われている素粒子研究を身近に感じられる実験であることを紹介。霧箱の材料は、子どもたちが自宅でも作ることができるよう市販されているものを使用します。霧箱の中にアルコールを入れ底をドライアイスで冷やし、ライトで照らすと、光の中に浮かび上がる宇宙線の軌跡が観察できました。「何も入っていないのに線が見えることに驚いてもらえるのが嬉しくて、霧箱実験は何回やっても新しい発見があってわくわくします」と、青木さんは実験の魅力を語ります。
五十嵐立青市長から認定書を手渡され、青木さんは「子どもも大人も、障害があっても、誰もが好奇心を持って科学を楽しめる場づくりに取り組みたいです。自然体で活動する自分の姿を見て、少しでも科学に興味を持ってもらえたら嬉しいです」と今後の意気込みを語っていました。五十嵐市長は「今回、新たにゆーみるしーさんが科学教育マイスターになったことをすごく嬉しく思っています」と話しました。
青木さんは、11月9日(土)に開催のつくば科学フェスティバル2024(主催:つくば市、つくば市教育委員会)に参加し、実験を行う予定です。