KEKの「アート×サイエンス」、万博から東京都現代美術館へ

KEKは昨年、つくば市との協働のもと「アーティスト・イン・レジデンス(AiR)」を開催しました。AiRとは、アーティストを一定期間ある土地や施設などに招き、滞在しながら作品制作を行ってもらう事業です。KEKでは長年取り組んでいる「アート×サイエンス」の一環で、研究機関としてこの事業に取り組みました。制作された作品は昨年の大阪・関西万博で展示されたほか、今年も5月まで東京都現代美術館で展示されています。

KEKのAiRに参加したのは、メディアアーティストとして活動する「片岡純也+岩竹理恵」のユニットです。昨年4〜5月、2人のKEKつくばキャンパスの宿舎に泊まり込み、KEK素粒子原子核研究所の研究者らとの交流や施設見学から着想を得て作品を制作しました。

こうして完成したのが、「KEK曲解模型群」です。加速器で使われるフレミングの左手の法則や、波・粒・力の関係性など、滞在期間に得たインスピレーションを基にした四つの作品でできており、それぞれがKEKで行われているサイエンスをアーティストならではの視点で拡張したものになっています。

作品は「第7回つくばメディアアートフェスティバル」での展示を終えた後、トラックで大阪・関西万博会場に運ばれ、8月14〜21日、総務省、文部科学省などの主催で開かれた「エンタングル・モーメント [量子・海・宇宙] ×芸術 」で展示されました。

「エンタングル・モーメント」は量子力学が誕生してからちょうど100年になることを機にアートの力で「量子・海・宇宙」の不思議を伝えようという特別展示で、2人の作品は「宇宙」のセクションに展示され、作品とKEKが行っている研究との関係について、案内役のKEK職員が説明をしました。

大阪・関西万博の会場の様子

8日間で約6万人が来場した「エンタングル・モーメント」が終了後、現在、東京都現代美術館(東京都江東区)で開催されている「ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術」展で展示されています。

東京都現代美術館で展示中の「KEK曲解模型群」の一つ「すり抜ける紙飛行機」
東京都現代美術館で展示中の「KEK曲解模型群」の一つ「フレミングの左手の法則」 

茨城県つくば美術館や大阪・関西万博で作品を見逃した方は、ぜひ「ミッション∞インフィニティ」でご覧ください(5月6日まで)。

「ミッション∞インフィニティ」では関連プログラムとして「研究機関におけるアート&サイエンス・プロジェクト」というトークを4月18日14時から開催します。5月4日には片岡さん、岩竹さんが登壇するトーク「見える現象/見えない宇宙—どう考え、どうかたちにするか」も予定されています。

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