つくばサイエンスツアーオフィス主催の「水夜(すいよる)サイエンスカフェ」が3月5日(水)まで毎週開催されました。このサイエンスカフェは、つくば市内にある研究教育機関が話題提供し、気軽に科学を楽しむ場を提供するものです。
2月26日は「光1粒を測る温度計?-宇宙観測のフロンティアを切り拓く最先端センサー-」と題し、 KEK量子場計測システム国際研究拠点(WPI-QUP)の早川亮大研究員が話題提供しました。ファシリテーターは広報室の青木優美が務め、対話形式で進行しました。

冒頭では、早川研究員が自身の経歴や趣味、研究テーマの概要を紹介し、研究者になった経緯や研究にあたっての苦労や楽しさを、ユーモアを交えて話しました。
「光1粒を測る」というテーマについては、光を構成する最小単位である光子が、粒と波の両方の性質を持つものであることを解説。光のエネルギーを測定するために、光を吸収してその温度上昇を「温度計」で測るという概念を詳しく説明しました。特にTES(超伝導転移端センサー)の動作原理について、写真やイラストを使用して視覚的に説明しました。この検出器は早川研究員が暗黒物質探索のためにも使用しています。


イベントはつくばセンタービルco-enで開催され、オンライン参加者を含め約40名が集まりました。講演中および終了後には、参加者から多くの質問が寄せられ、科学への関心の高さがうかがえました。「この検出器は特定のエネルギーの光にしか反応しないのか?」という質問に対して、早川研究員は、検出器は幅広いエネルギー範囲の光子を捉え、一粒の光子のエネルギーを高精度で測定できることなどを解説しました。
