水夜サイエンスカフェ「基礎科学から実学へ~加速器で視る/防災情報の高度化~」を開催しました

茨城県内の研究機関の紹介や見学コースの提案などを行うつくばサイエンスツアーオフィス主催のサイエンスカフェ「水夜(すいよる)サイエンスカフェ」が始まりました。この企画は、つくば市内に数ある研究教育機関が話題提供し、気軽に科学を楽しむ場を提供するものです。

椅子が並んだ会場に20人くらいの参加者が座っている様子。正面にディスプレイがあり登壇者が座っている。
会場の様子

このサイエンスカフェは、2023年12月から2024年3月にかけて金曜日の夜に「金夜(きんよる)サイエンスカフェ」として行われていたものの後継企画で、曜日を水曜日に移したものです。 

初回となる12/4(水)は「基礎科学から実学へ~加速器で視る/防災情報の高度化~」と題し、KEK加速器研究施設 大谷 将士(おおたに まさし)准教授と気象研究所 応用気象研究部 第三研究室 高野 洋雄(こうの なだお)室長のコラボでお届けしました。現地・オンライン合わせて40人以上の参加がありました。

おおたに まさし准教授がスライドを使って自己紹介をしている様子
大谷 将士准教授

大谷准教授は加速器のしくみと利用について話題提供。大強度陽子加速器施設J-PARCで行っている実験や加速器の医療利用、ミュオンでさまざまな物を透過して「視る」ミュオグラフィをはじめとしたミュオンを用いた技術について紹介しました。さらに、自身が取り組むミュオン加速器と将来の展望などについて語りました。

こうの なだお室長がトークの概要を話す様子。
高野 洋雄室長

高野室長は気象研で実施している、災害インパクトを示す「Impact-Based Forecast(IBF)」を使用した情報高度化に向けた研究について紹介。IBFは大雨・洪水、台風、高潮などの災害についてさまざまなデータを組み合わせてリスクを特定し、意思決定を支援するためのアプローチです。災害時の適切な行動を促すためには自然科学だけではなく社会科学や経済も考慮した情報発信が必要だと説明しました。

参加者からは「加速器の応用例などの学びがあった」「アットホームな雰囲気でリラックスして参加できた」などの感想が寄せられました。

水夜サイエンスカフェは12/4(水)から3/5(水)まで年末年始を除き毎週開催されます。場所はつくば駅徒歩3分のつくばセンタービルco-en、予約不要・無料ですのでお気軽にご参加ください。なおYouTubeによるオンライン配信もあります。 

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