KEK(高エネルギー加速器研究機構)では毎年、どなたでも自由につくばキャンパスを見学していただく「KEK一般公開」を開催してきました。2020年から2022年まではCOVID-19の影響により、オンライン開催や人数限定のツアー形式での開催となっていましたが、今年は4年ぶりに従来の現地開催の形に戻すことができました。
KEK一般公開2023は厳しい残暑がようやく落ち着き始めた9月23日に開催されました。今年のキャッチコピーは「加速器だから見えた世界、これから見える未来」で、素粒子を詳しく調べるBelleⅡ実験の測定器をモチーフとしたレトロな雰囲気のイラストでみなさまをお迎えしました。
関東を中心に、遠くは北海道や中国地方からも来場があり、およそ3,700人が参加しました。ありがとうございました。
公開施設
今年の一般公開ではこれまでで最多の15の実験施設・展示施設を公開しました。
計算科学センター
ERL開発棟
空洞製造技術開発施設CFF
機械工学センター
超伝導低温工学センター
放射線科学センター
電子陽電子入射器
先端加速器試験棟ATF
SuperKEKB加速器
筑波実験棟(BelleⅡ)・展示室
超伝導リニアック試験施設棟STF
フォトンファクトリー光源加速器
フォトンファクトリー(PF)実験ホール
コッククロフト・ウォルトン型加速器
KEKコミュニケーションプラザ
事前予約制人数限定ツアー
今年初めての試みとして、学生限定事前予約制の「研究者と歩くKEK一般公開バックヤードツアー」を開催しました。定員4名のツアーを9つ同時開催し、中学生11名・高校生9名・高専生2名・大学生10名が参加しました。
「タンパク質をみるクライオ電子顕微鏡」ツアーに参加した大学1年生は「クライオ電顕についてはノーベル賞をきっかけに調べたりしましたが、実際に見ることでより興味を持ちました」と言っていました。また、「宇宙最古の光をみる冷たいセンサー」ツアーに参加した高校3年生からは「今まであまり知らなかった量子のことにも興味を持ちました」という感想が寄せられました。
また、もう一つの事前予約制ツアーとして「フォトグラファーと歩くKEK一般公開撮影ツアー」を開催しました。コンパクトエネルギー回収型線形加速器(cERL)の前で写真家から加速器をかっこよく撮る方法を教わりました。
トーク・講演・サイエンスカフェ
KEKを初めて訪れた方向けの15分トークや、講演・サイエンスカフェには多くの来場者が参加しました。
ブース展示・体験コーナー
キャンパス内では1日では回りきれないほど多くのブース展示や体験コーナーがありました。楽しんでいただけましたでしょうか?
買う・食べる
KEKの食堂・売店・喫茶室が営業したほか、キッチンカーなども出店しました。
また来年、みなさまの素敵な笑顔が見られることを、職員一同楽しみにしています。