KEK一般公開2026で「理系女子ミニツアー&ワークショップ」を開催しました

9月5日(土)に開催されたKEK一般公開2026において、女子中高生に宇宙、物理、実験に関心を持ってもらうための企画として、加速器バックヤードツアーと、ワークショップ「耳で感じる宇宙の広がり」を開催しました。また、理系女子進路相談コーナーを開設し、女性教員と女子大学院生が、理系学部・大学院への進学や女性研究者のワークライフバランスについての質問に答えました。

ダンピングリング電源棟にあるクライストロン(大出力の高周波電力増幅装置)の前で、集合写真を撮影

ダンピングリング「加速器のための加速器」見学ツアー

加速器バックヤードツアーで訪れたダンピングリングは、SuperKEKB加速器の陽電子ビームのための加速器です。通常の一般公開では公開されていないため、ゆっくりと見学することができました。参加者は、加速器トンネルに並ぶ電磁石や加速装置などについての説明に熱心に聞き入り、興味を持ったことについて質問していました。研究者、技術者によるわかりやすい解説により、加速器の世界を楽しんだ様子でした。

加速装置について説明する 飯田直子・DE&I推進室男女共同参画推進グループ長
ダンピングリングの電磁石
加速の仕組みを解説する
植田猛(うえだたけし)・加速器研究施設技術副主幹
ダンピングリングの電源装置
KEK機構長の歓迎を受けました

ワークショップ「耳で感じる宇宙の広がり」

ツアーから引き続き参加した中学生と
名古屋大学のみなさん、見学に訪れた道園真一郎(みちぞのしんいちろう)KEK理事(後列向かって左端)、小谷和浩(こたにかずひろ)KEK理事(後列向かって右端)と集合写真を撮影
高校生の部の参加者(前列)と 後列向かって左から名古屋大学・黒田尚志(くろだたかし)さん、名畑遼馬(なばたりょうま)さん、加藤さくらさん、髙橋将太・特任助教、村田璃奈(むらたりな)さん

ツアー終了後は、名古屋大学 KMI Science Communication Team(KMI-SCT)の企画・協力により、救急車のサイレンなどでも知られる「ドップラー効果」を体験するワークショップを行いました。
参加者は、音源となるスマートフォンを前後に振り、その音を別のスマートフォンで録音することで、音源が近づくと音が高く、遠ざかると低く聞こえる現象を実際に観察しました。

さらに、音の変化から音源の速さを求める方法を学び、その考え方が宇宙論・素粒子論でも活用されていることが紹介されました。宇宙から届く光の波長の変化を調べることで、星や銀河がどのように動いているのか、さらには宇宙そのものが膨張していることまで分かります。

最後に髙橋特任助教から、宇宙誕生から約38万年後に放たれた光が、宇宙の膨張によって約1000倍に引き伸ばされて観測される「宇宙マイクロ波背景放射(CMB)」について解説がありました。

参加者からは、「ドップラー効果のしくみがよく分かって面白かった」「宇宙が好きなのでとても楽しかった」といった感想が寄せられ、日常の中に潜む現象から、宇宙の成り立ちに迫る科学の醍醐味を感じてもらえたようでした。

ドップラー効果について説明する黒田さん
音は、音源が近づく時、高くなり 遠ざかるとき、低くなる
スマートフォンを振って
音の変化を測定
音の高さはどうなる?
速度を読み取る!
高校生に説明する名畑さん
音源の速度の計算にも挑戦しました

 名古屋大学・KMI Science Communication Team (KMI-SCT)の活動については、 以下のサイトをご覧ください。
KMI Science Communication Team 

理系女子進路相談コーナー

総合研究大学院大学の小林海景(こばやしみかげ)さん、東京大学理学系研究科の和田真優(わだまゆ)さんがアドバイザーを務め、来訪者の進路についての心配ごとや質問に答えました。

小林さん(中央)、野尻美保子・DE&I推進室長(右端)
和田さん(中央)

KEKでは、DE&I(Diversity, Equity and Inclusion:多様性、公正性、包摂性)に関する基本方針を制定し、誰もが科学に携わることができる環境づくりに取り組んでいます。

今後も、多様性・公正性・包摂性が尊重される社会の実現を目指し、より多くの方が科学に触れ、関心を深められる機会を設けていきます。

(DE&I推進室)