2026年7月28日、8月8日にKEKつくばキャンパスにおいて、小中学生向けイベント「君も研究者!KEK放射線ミッション」を開催しました。午前・午後の2回実施し、各回20~30名の小学生が参加しました。子どもたちは研究者さながらに放射線について学び、自ら観察・測定を行いながら、身近な放射線の世界を体験しました。
イベントのはじめに、KEK広報室 栗原 良将 先生が放射線について講義を行いました。「放射線」と聞くと危険なものという印象を持つ人も少なくありませんが、自然界にも存在し、私たちの身の回りにもある身近な存在であることや、医療や研究などさまざまな分野で利用されていることを紹介しました。

講義の後は、放射線の飛跡を観察できる「霧箱」づくりに挑戦しました。霧箱を組み立て、中のスポンジにアルコールを含ませ、ドライアイスに乗せしばらく待ちます。

すると、目には見えない放射線が飛行機雲のような筋となって現れます。子どもたちは次々と現れる飛跡を夢中で観察し、「見えた!」「また通った!」と歓声を上げながら、その様子を熱心に記録していました。

見えた様子をスケッチする様子に「結果を記録することは研究者にとってとても重要だ」と栗原先生が強調しました。

続いて、放射線測定器「はかるくん」を持ってキャンパス内を探検しました。建物の中やコンクリートの上、草むらなどさまざまな場所で放射線量を測定し、場所によって値が異なることを確認しました。「どうしてここは高いの?」「建物の中と外では違うの?」といった疑問が次々と生まれ、実際に測定しながら考えることで、放射線をより身近に感じる機会となりました。


みんなで測った数値を集計して、どんな場所が放射線量が高いかを考えました。

特に高学年向けの回では、「放射線はどこから来るのですか」「宇宙から来る放射線もあるのですか」といった質問が次々と寄せられ、終了後も栗原氏のもとに子どもたちが集まり、熱心に質問を続ける姿が見られました。放射線への興味や探究心が大きく育まれたことがうかがえました。

イベントの最後には、一日研究者としてミッションをやり遂げた参加者全員に、修了証「未来の博士号」を授与しました。子どもたちは少し誇らしげな表情で修了証を受け取り、研究者体験を終えました。

今回のイベントでは、講義で学び、霧箱で観察し、測定器で調べるという一連の体験を通して、「放射線は目には見えなくても、確かに存在している」ことを自ら確かめました。KEKでは今後も、実験や体験を通して科学の楽しさや研究の面白さを伝える活動を続けていきます。