放射線科学センターの放射線安全管理者2名が功労表彰

公益財団法人 原子力安全技術センター等主催の「令和7年度放射線安全管理功労・環境放射能対策功労表彰」に、KEKで放射線管理にたずさわった桝本和義さん、萩原雅之さんの二人が選ばれ、令和7年11月10日に原子力規制委員会(東京都港区)で表彰を受けました。

「放射線安全管理功労・環境放射能対策功労表彰」は、放射性同位元素などの安全管理または環境放射能対策の向上のために尽力して優れた成果を上げた個人を表彰するもので、放射線の安全管理に関わる者のさらなる意欲の向上と安全確保に対する国民の理解の増進に寄与することを目的に実施されています。平成15年に文部科学省の後援で創設した表彰制度で、東日本大震災の影響などで一時中断していましたが、今年度から原子力規制委員会の後援で再開しました。今年度の受賞者は14名でした。

桝本さんは、東京大学原子核研究所の時代である1997年から2015年まで、KEKで放射線安全管理室長、計量管理責任者を務めるかたわら、日本放射線安全管理学会 会長および顧問を務めるなど、長年にわたって放射線の安全確保に尽力したこと、また、学会活動などを通じて加速器による放射化物の安全基準を策定するなど加速器の安全管理体制の構築に貢献したことが評価されました。

桝本和義さん

萩原さんは、2006年から大強度陽子加速器施設J-PARC でのニュートリノ施設の放射線管理ならびにKEK SuperKEKBの放射線管理に従事し、国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構NanoTerasuの放射線取扱主任者を務めました。国内外の放射光施設における実績を体系化し、安全管理システムの改良などにより、実験ホールを非放射線管理区域に設定するしたことなどが高く評価されました。

萩原雅之さん

桝田和義さん談
「放射線安全業務では管理はcontrolではなくmanagementだと思います。現場に行き、正確なデータの取得に努めることが大事だと思ってやってきました。また、得られた情報の発信に努めることが大切だと思ってきました。放射線安全については、一人でできることではなく、多くの皆様のご協力とご支援があって達成できたものであると思っており、皆様にたいへん感謝しております。」

萩原雅之さん談
「これまで大型加速器施設の放射線安全管理に携わる中で、安全管理は研究活動の制約ではなく、研究を持続的に発展させるための基盤であるべきだと強く感じてきました。そのため、(現職場の)NanoTerasuでも科学的根拠に基づく合理的な設計や運用を重視するとともに、情報を積極的に公開し、規制当局や地域住民の皆さまに対して説明責任を果たす姿勢を大切にしています。
大型加速器施設の安全管理は、法令や規則だけで完結するものではなく、研究者や利用者、さらには社会との信頼関係の上に成り立つものです。社会的モラルや価値観が変化する中で、単に法令基準を満たすだけでなく、丁寧な説明を重ねながら、国際的にも通用する放射線安全管理を実践し、日本の基礎研究の発展へとつなげていきたいと考えております。」

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