KEK一般公開2025で「理系女子ミニツアー&講演会」を開催しました

KEK一般公開2025において、女子中高生に宇宙、物理、実験に関心を持ってもらうための企画として、加速器バックヤードツアーと、講演会「素粒子DIY体験」および交流会を開催しました。また、科学大好き女子応援・相談コーナーを開設し、女性教員と女子大学院生が、理系学部、大学院への進学についての質問に答えました。

KEK一般公開2025で「理系女子ミニツアー&講演会」を開催しました
ダンピングリング電源棟にあるクライストロン(大出力の高周波電力増幅装置)の前で、
集合写真を撮影

ダンピングリング「加速器のための加速器」見学ツアー

加速器バックヤードツアーで訪れたダンピングリングは、一般公開でも見ることのできない加速器です。本ツアーのために特別に公開され、ゆっくりと見学することができました。参加者は、加速器トンネルに並ぶ電磁石や加速装置などの説明に熱心に聞き入り、興味を持ったことについて積極的に質問していました。ガイド役の女性研究者のわかりやすい解説により、加速器の世界を楽しんだ様子でした。

電磁石の説明をする飯田直子教授
電磁石の説明をする飯田直子教授
加速装置の説明をする西脇みちる准教授
加速装置の説明をする西脇みちる准教授

講演会「女子中高生の素粒子DIY体験」

見学に訪れた浅井祥仁(あさいしょうじ)KEK機構長(後列中央)と集合写真を撮影
見学に訪れた浅井祥仁(あさいしょうじ)KEK機構長(後列中央)と集合写真を撮影

ツアー終了後は、場所を変えて、「加速キッチン」のメンバーによる素粒子探究紹介・交流会を行いました。はじめに、加速キッチン代表で早稲田大学准教授の田中香津生(たなかかづお)先生から、「加速キッチン」での素粒子探究活動について、説明がありました。その後、加速キッチンメンバーの高校生、山本真丘(やまもとみく)さん、牛田舞羽(うしだまいは)さん、倉科采佳(くらしなあやか)さん、福﨑菜々香(ふくさきななか)さん、松永瑞紗(まつながみずさ)さん、中学生の川道かのん(かわみちかのん)さんが、素粒子検出器の組み立てや自宅での宇宙線観測、J-PARCでの実験体験などについて、写真を映しながら紹介しました。参加者は小グループに分かれ、加速キッチンが考案した「周期表ジグゾーパズル」のタイムトライアルに挑戦しました。また、素粒子が好きになったきっかけや普段取り組んでいること、KEKに興味を持ったきっかけなどのテーマに沿って、グループごとに交流を行いました。参加者は、すっかり仲良くなった様子で、終了時間が過ぎても、楽しそうに語り合っていました。

グループに分かれ、周期表ジグソーパズルに挑戦、交流を行いました
グループに分かれ、周期表ジグソーパズルに挑戦、交流を行いました

「加速キッチン」の中高校生の活躍は、以下のサイトをご覧ください。

科学大好き女子応援・相談コーナー

午後は「科学大好き女子応援・相談コーナー」を開設しました。名古屋大学理学研究科の麻田晴香(あさだはるか)さん、総合研究大学院大学の中島樹利菜(なかじまじゅりな)さんがアドバイザー役を務め、来訪者の進路についての心配ごとや質問に答えました。また、会場に展示した女子高校生対象のスクール「理系女子キャンプ」ポスターに興味を持った家族に対し、スクールの説明を行いました。

科学大好き女子応援・相談コーナー
科学大好き女子応援・相談コーナー

KEKでは、DE&I(Diversity Equity & Inclusion:多様性、公正性、包摂性)に関する基本方針を制定し、誰もが科学に携わることができる環境づくりに取り組んでいます。

今後も、多様性・公正性・包摂性が尊重される社会の実現を目指し、より多くの方が科学に触れ、関心を深められる機会を設けていきます。

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