KEKは、4月26日(土)〜27日(日)に幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議2025」に出展しました。ニコニコ超会議は株式会社ドワンゴが主催する日本最大級動画サービス「ニコニコ」のユーザーが主体となりネットとリアルで開催する文化祭です。今年は昨年を大幅に超える132,657人がリアル会場に来場しました。

今年で3年目の出展となる「超KEK」ブースでは、加速器をテーマに、来場者が科学の魅力を体感できる多彩な企画を実施し、約1500名の来場者にブース企画にご参加いただきました。その様子をご紹介します。
加速器の内部をのぞく「アンテチェンバー付き真空パイプ」展示
SuperKEKB加速器で実際に使用されている陽電子ビームの通り道、「アンテチェンバー付き真空パイプ」を展示しました。普段は目にすることのできない加速器内部の構造を間近で見られるとあって、多くの来場者が足を止め、興味深そうに観察していました。
会場では研究者による丁寧な解説も行われ、加速器の仕組みやアンテチェンバーの果たす役割について、熱心に耳を傾ける姿が見られました。
加速器技術の最先端を、実物を通して身近に感じていただける貴重な機会となりました。


真空ポンプに挑戦「超KEK 真空チャレンジ」
特製の人力空気抜きと、本物の真空ポンプを使い、10秒間でどちらがより高い真空度に到達できるかを競う体験コーナーを設置しました。およそ200名が挑戦。約2割の参加者が真空ポンプに勝利するという結果に。
加速器の運転に不可欠な「真空」について、体を動かしながら楽しく学べるこの企画は、子どもから大人まで幅広い世代に好評で、多くの笑顔が見られました。


茨城県公認VTuber茨ひよりさん

「リアルまもる君」もチャレンジ
謎解きで加速器を知る「超KEK 謎解き」
昨年好評を博したKEKオリジナルの謎解き企画を、今年も実施しました。2日間で延べ1,300名を超える方々にご参加いただき、見事謎を解き明かした約500名に「クリアカード」をプレゼントしました。
参加者からは「難しかったけれど楽しかった!」「いつかつくばにも行ってみたい」といった声が寄せられ、KEKの研究や施設に対する関心の高まりがうかがえました。

研究者が語る「超KEK 生放送」
KEKの研究者によるトークショーをニコニコ生放送で配信しました。登壇者は日替わりで多岐にわたる研究内容を紹介しました。
1日目は、浅井 祥仁機構長が登壇した「超KEK解説」を皮切りに、「超対称粒子」発見に向けたテストビームについてや、加速器を支える真空技術、最先端センサーや、JAXAとのコラボによる「宇宙放射線」についてなど、普段は聞けない内容をわかりやすく解説しました。
2日目は、「超レアな量子ビームで蓄電池を切る!」と題し、ミュオンビームと中性子ビームが電池研究にどう活用されているかについて紹介されました。また、KEKの「技術職員」の仕事に関するトークも行い、技術職の魅力が伝わる内容となりました。
ブースでの参加者に加え、視聴者からも活発な質問が寄せられ、KEKへの理解が深まる貴重な機会となりました。
生放送の録画は、ニコニコ動画のプレミアム会員と事前にタイムシフト予約した方が見ることができます。https://ch.nicovideo.jp/kek/live









SNSキャンペーンで盛り上がる
SNSを活用したキャンペーンとして、会場ブースでKEKの公式アカウントをフォロー&リポストした画面をご提示した方や、当日のイベント写真をハッシュタグ付きで投稿してくれた方に、加速器で実際に使用されている電磁石の写真をデザインした「マグネットのマグネット」をプレゼントしました。
さらに、KEKのXアカウントをフォローし、指定の投稿をリポストすると、抽選で特製「超KEK Tシャツ」が当たるキャンペーンも実施。多くの方にご参加いただき、大いに盛り上がりました。


「超ニコ四駆2025」企業対抗戦優勝!
「超ニコ四駆」は、2023年から続くニコニコ超会議の人気企画です。今年は初の「企業対抗レース」が開催され、協賛企業である日本精工(NSK)をはじめ、自動車メーカーのスズキ、そしてKEKの有志チームが参戦しました。各チームは、エンジニアたちの創意工夫が詰まった“魔改造マシン”で、30秒以内にどれだけ多くの周回ができるかを競いました。
KEKチームは、約1ヶ月の準備期間にも関わらず、電子制御技術を駆使したマシン「KMBC(かまぼこ)」を完成させ、1走目で4周、2走目で8周を記録。見事、優勝を手にしました。


茨城県とのコラボも
茨城県の「超茨城」ブースで行われたPRコーナーにKEKも登壇し、茨城県の事業者を紹介する一環として活動を紹介しました。ステージでは、KEKのブース企画のひとつである「真空チャレンジ」を取り上げ、参加者にその魅力を伝えました。また、茨城県内の宿泊施設で働く若旦那たちによる昭和歌謡ユニット「いばらき若旦那」が登場し、チャレンジに挑戦していただきました。
さらに、昨年に続き、茨城県公認VTuber「茨ひより」とのコラボうちわをKEKブースと茨城県ブースで配布しました。4月初旬に発表されたばかりの新衣装(私服)に加え、ニコニコ超会議の初日にお披露目されたスーツ姿のデザインが施された2種類のうちわを準備し、来場者に大変好評でした。


今後もKEKは、科学を身近に感じてもらえるような取り組みを続けていきます。