加速器製作を行う高専生がKEKで交流会を実施

2月20日、高等専門学校(高専)での加速器製作を行う学生がKEKで交流会を実施しました。「高専で作る小型サイクロトロン加速器教材の製作」はKEK未来基金、KEK加速器科学国際育成事業(IINAS-NX)などの支援を受けて行われている取り組みで、KEK加速器研究施設 大谷 将士准教授が中心となり、豊田高専、長野高専、小山高専などと協力し学校教育と相補的に実際のものづくりによる教育の土壌を作ることを目指しています。 

大谷 将士准教授 

この活動を総合してAxeLatoon(アクセラトゥーン:加速器を意味するAcceleratorと新芽を意味するRatoonに由来する造語)と呼んでおり、高専の同好会・クラブ活動の一環として、週2回~隔週程度の頻度で放課後に活動しています。4高専で約40人の高専生が活動を継続しています。 

今回の交流会には小山・群馬・長野・豊田・沖縄高専の学生がKEKに集まりました。 

まず、KEK加速器研究施設 小関 忠施設長が、KEKつくばキャンパス・東海キャンパスの加速器について説明しました。 

小関 忠施設長による加速器の説明 

その後、長野高専・豊田高専・小山高専がそれぞれの活動を報告しました。 

長野高専のメンバーは、真空チェンバーの厚みの工夫や、作成する加速器のシミュレーションに向けた準備などについて説明しました。 

長野高専の発表

豊田高専はオンラインで登壇。身近な材料を使った簡易真空容器について発表しました。

豊田高専の発表

小山高専は鉄球を磁力で加速する「ガウス加速器」を使ったボウリングの制作など、ユニークな取り組みについて紹介しました。 

小山高専の発表
制作したボウリング 

群馬高専・沖縄高専はこれから本格始動するチームで、今後の計画について発表しました。意見交換では、これまで活動してきた高専のメンバーからのアドバイスなどもありました。 

群馬高専による発表
沖縄高専による発表

具体的な実験方法の議論から、活動の仕方や部員の募集方法まで、活発な意見交換が行われました。 

発表の合間にはKEKの見学会も行われました。 KETA(教育用加速器)、機械工作センター、空洞製造技術開発施設を3グループに分かれて見学しました。 学生たちは実際の研究現場に圧倒されたようでした。 

KETA(教育用加速器)見学の様子 
コンパクトERL見学の様子

今後、AxeLatoonの活動によってさらに加速器を使った教育機会が広がることが期待されます。

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