ペトラ・ジグムントドイツ連邦共和国特命全権大使がKEKを訪問

1月17日、ペトラ・ジグムント(Petra Sigmund)駐日ドイツ大使が、高エネルギー加速器研究機構(KEK)を訪問しました。

ドイツは、KEKがホストする国際共同実験のBelle II実験におけるピクセル崩壊点検出器に責任的役割を果たし、トリガー装置や物理解析などにも大きく貢献しています。また、大強度陽子加速器研究施設(J-PARC)では、同じく国際共同実験として実施されているT2Kニュートリノ実験におけるT2K前置ニュートリノ検出器のタイムプロジェクションチェンバー測定器や、ND280大型電磁石の開閉機構に貢献するなど、重要な役割を果たしています。

KEK管理棟特別会議室にて 
(左から6番目:ジグムント大使、右から6番目:浅井機構長、5番目:齊藤所長)

 ジグムント大使を出迎えた浅井祥仁(あさい しょうじ)機構長は、歓迎の辞を述べた後、Belle II実験やT2Kニュートリノ実験におけるドイツとの協力についての紹介と、ILC テクノロジーネットワーク(ITN)の構築状況について説明を行いました。これらに対し、ジグムント大使からは、今回の訪問受け入れに対する謝意が示されたほか、研究プロジェクトの大規模化によるコストの高騰、研究期間の長期化を、一国で支えることは困難であり、施設、才能、資金、成果を共有するグローバルな枠組みの形成に向け、両国の協力強化が重要であると述べました。

続いて、齊藤直人(さいとう なおひと)KEK素粒子原子核研究所(素核研)所長が、素核研の研究概要とJ-PARCの実験施設の紹介を行いました。ジグムント大使から、T2Kニュートリノ実験やハイパーカミオカンデ計画などに興味が示され、浅井機構長は、KEKは基礎科学の発展とともにイノベーション推進にも注力していくと応じました。

その後、ジグムント大使はBelle II測定器が設置されている筑波実験棟を視察し、Belle II実験に参加する研究者も加わり、活発な交流が行われました。ジグムント大使は、素粒子物理学におけるKEKのパイオニア活動の一端に触れることができ、大変刺激的であったと述べました。

筑波実験棟・実験ホールにて、Belle II実験 に参加する日独研究者と記念撮影
(右から3番目が、ジグムント大使)

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