令和7年度の機構長賞およびKEK技術賞の表彰式が1月7日、KEKつくばキャンパスの小林ホールで行われました。
KEKには特に表彰に値する功績、発明、模範行為及びその他善行があった職員を表彰する「機構長特別賞」がありますが、新たな表彰制度として「機構長賞」が今年度から新たに設けられました。「研究活性化表彰」と「機構運営高度化表彰」の2部門で構成されています。
研究活性化表彰は、外部資金を通じてKEKの研究活動の発展と持続的な研究基盤の強化に貢献した取り組みを称えるもので、27人の職員が選ばれました。
機構運営高度化表彰は、基盤技術や装置の改善、省エネ、さらに先進的な工夫や挑戦を通じてKEKの運営をより高度化した職員に与えられる賞で、3人の職員が選ばれました。
また「KEK技術賞」は特に有益な発明や開発または改良をした技術職員の功績を称える歴史ある賞で、4人の職員が選ばれました。
表彰式には、研究活性化表彰の受賞者を代表して素粒子原子核研究所の渡邉裕教授、機構運営高度化表彰の受賞者を代表して物質構造科学研究所の本田孝志助教、KEK技術賞の受賞者を代表して加速器研究施設の塩澤真未准技師と共通基盤研究施設の牛谷唯人准技師に、それぞれ浅井祥仁機構長から表彰状が手渡されました。




渡邊教授は「新しい研究分野の創設や自らドライブしていくサイエンスというものを通じて、なお一層、機構での研究活動に貢献できるよう努力していきます」と、これからの意気込みを語りました。

本田助教はJ-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)で「サイエンスダイバーシティの推進」を掲げて、高強度中性子全散乱装置(NOVA)の多様目的化と研究を通じて、業務の効率化や合理化を進めたこと、および属人化を排するという新しい観点を取り入れたグループの活動を進め、その活動が評価されました。本田助教は「NOVAには世界各地からさまざまな科学分野とその知識が集まり共同研究しています。現在、私たちは次のフェーズ、新しい学術分野の創生、いわゆるイノベーションのフェーズに入っています。これからの成果を見ていただければと思っています」と、今後の抱負を述べました。

KEK技術賞ではまず、「ラジオクロミックフィルム」を使って加速器の放射線量を測定する方法を提案するとともに、そのキャリブレーション(基準となる標準器と比較して誤差を測定し、調整・補正する作業)方法を確立し、これらによって、解析作業の迅速簡素化とコスト削減を成し遂げた3名のグループの活動が評価された塩澤准技師が「この賞を励みに、今後もいろいろなことに挑戦をして、KEKや世の中の役に立つ技術開発に取り込みたいです」と語りました。

続いて、カナダの国立素粒子原子核物理研究所(TRIUMF)で行われているTUCAN国際共同実験で使用する大強度超冷中性子源用極低温熱交換器の製作をし、超冷中性子生成の成功に導いた功績が評価された牛谷准技師は、「的確なご指導や助言あってこその成果でした。本受賞を糧として、今後も技術の研鑽に努めていきたいです」と述べました。

浅井機構長は「受賞した方々の取り組みは、新しい研究成果の創出のみならず、機構全体の運営や技術力を確実に高めてくれるものです。『新しく挑戦し続ける』と同時に、創意工夫を繰り返して、研究力を強化していくことがきわめて重要です」と話しました。

式典後に、各賞ごとに受賞者の記念撮影が行われました。令和7年度機構長賞とKEK技術賞の受賞者のみなさんは以下の通りです。
令和7年度 機構長賞受賞者 研究活性化 27名

令和7年度 機構長賞受賞者 研究活性化 27名
| 所属 | 職名 | 氏名 |
| 素粒子原子核研究所 | 講師 | 五十嵐 洋一 |
| 素粒子原子核研究所 | 准教授 | 浦川 優子 |
| 素粒子原子核研究所 | 准教授 | 小沢 恭一郎 |
| 素粒子原子核研究所 | 教授 | 坂下 健 |
| 素粒子原子核研究所 | 教授 | 澤田 真也 |
| 素粒子原子核研究所 | 教授 | 戸本 誠 |
| 素粒子原子核研究所 | 教授 | 橋本 省二 |
| 素粒子原子核研究所 | 准教授 | 本多 良太郎 |
| 素粒子原子核研究所 | 准教授 | 丸山 和純 |
| 素粒子原子核研究所 | 教授 | 三原 智 |
| 素粒子原子核研究所 | 教授 | 三部 勉 |
| 素粒子原子核研究所 | 准教授 | 宮原 正也 |
| 素粒子原子核研究所 | 教授 | 渡邉 裕 |
| 物質構造科学研究所 | 教授 | 伊藤 晋一 |
| 物質構造科学研究所 | 助教 | 梅垣 いづみ |
| 物質構造科学研究所 | 教授 | 大友 季哉 |
| 物質構造科学研究所 | 教授 | 木村 正雄 |
| 物質構造科学研究所 | 特別教授 | 下村 浩一郎 |
| 物質構造科学研究所 | 教授 | 千田 俊哉 |
| 物質構造科学研究所 | 特別准教授 | 永谷 幸則 |
| 物質構造科学研究所 | 助教 | 望月 出海 |
| 加速器研究施設 | 教授 | 阪井 寛志 |
| 加速器研究施設 | 准教授 | 本田 洋介 |
| 加速器研究施設 | 教授 | 吉田 光宏 |
| 共通基盤研究施設 | 教授 | 佐波 俊哉 |
| 量子場計測システム国際拠点 | 特任准教授 | 赤松 弘規 |
| 量子場計測システム国際拠点 | 特任教授 | 羽澄 昌史 |
令和7年度 機構長賞受賞者 機構運営高度化 3名

| 所属 | 職名 | 氏名 |
| 物質構造科学研究所 | 助教 | 本田 孝志 |
| 物質構造科学研究所 | 専門技師 | 大下 英敏 |
| 物質構造科学研究所 | 教授 | 大友 季哉 |
令和7年度 KEK技術賞 4名

| 所属 | 職名 | 氏名 |
| 加速器研究施設 | 准技師 | 塩澤 真未 |
| 加速器研究施設 | 技術員 | 設樂 暁 |
| 加速器研究施設 | 技師 | 田中 窓香 |
| 共通基盤研究施設 | 准技師 | 牛谷 唯人 |