KEKは4月27〜28日に幕張メッセにて行われた「ニコニコ超会議2024(リアル開催)」に出展しました。ニコニコ超会議は株式会社ドワンゴが主催する日本最大級動画サービス「ニコニコ」のユーザーが主体となりネットとリアルで開催する文化祭です。今年はリアル会場に来場者125,362人が集まりました。
KEKブースは「超KEK」と銘打ち、KEKで行っている研究について楽しく知っていただけるような企画を多数実施し、1,000人以上が立ち寄りました。その様子をご紹介します。
超KEK「超巨大ガラポン」
KEKの大型実験装置「Belle ll(ベルツー)」をプリントした巨大ガラポンが初登場。ガラポンのデザインは2024年1月にSuperKEKB (スーパーケックビー)と呼ばれる加速器が改良工事を終えて運転を再開した後に、Belle II 測定器で観測した、電子・陽電子の初衝突の様子を再現してもらいました。
クイズや謎解きに正解した方、体験に参加したり生放送を聞いたりした方がガラポンに挑戦しました。ガラポンの景品として用意したKEKオリジナルグッズは大変好評で、景品の種類の多さに悩む人も続出しました。
謎解きは、KEKの研究に関連したオリジナル問題をこの日のために作成。謎解きに参加した方からは「難しい!やっと全問解けました」や「こんなすごい謎はどなたが考えたんですか?」といった声をいただきました。2日目は謎解きが難しい!というお声にお応えし、謎解きお助け隊も結成しました。
Belle II実験リアルタイム解説
Belle II測定器のイベントディスプレイを研究者や技術者が生解説!SuperKEKBのビーム衝突でBelle IIの中でどんな反応が起きているか紹介しました。ビーム衝突性能「ルミノシティ」もリアルタイムで観察して、来場者といっしょに一喜一憂しました。機械工学センター制作の分解できるBelle II立体模型は、内部のそれぞれの検出器の構成まで忠実に再現されています。
真空実験
「真空」超実験は、2分で真空を体感できました。知識では知っていても、実際に金属のボルトと羽根が同時に落ちるのを見るのはほとんどの方が初めて。実験の様子に「おおー!」と声が上がっていました!
フォトブース
まるで実際に実験施設に行ったかのような体験ができるフォトブースをご用意。来場の記念や、生放送登壇者とのツーショット撮影に使ってもらいました。
超KEK体験コーナー
「防弾スイーツ」超実験
銃で撃つ代わりに機械工学センター作の落下装置を使い、チョコソースやカスタードクリームに鉄球を発射!「速い力」に対して硬くなる「ダイラタンシー」がどのスイーツで起こるのか、予想を当てて喜ぶ人、外して不思議がり瀬戸 秀紀(せと ひでき) 教授の説明を聞いて納得する人など50人以上に楽しんでもらい、KEKで行っている軟らかい物質の研究を紹介しました。ダイラタンシー現象は片栗粉に適量の水を混ぜることで簡単に観察できます。ぜひお家で実験してみてください!
「偏光板」超実験
偏光板を使って光の性質を知ることができる工作「不思議なステンドグラス」。偏光板の間にセロテープを貼ったプラ板を挟み込むと、きれいな色が現れます。透明なはずのセロハンテープに色がつくことにあっと驚く人、色の変化に見入る人など、偏光が持つ不思議な性質を、体感してもらうことができました。
霧箱超観察
アルコールを入れた容器をドライアイスの上に乗せると、飛行機雲のような白い線が現れます。これは「霧箱」という装置。空から降ってくる素粒子を観察してもらいました。2日目は加中高生の素粒子物理研究を支援する団体「加速キッチン」の協力のもと、霧箱でモナズ石から出てくる放射線を観察しました。加速キッチンに所属する高校生が行っている霧箱の研究についても説明してもらいました。
超ねじきり体験
加速器にねじは欠かせません。超ねじきり体験では、アクリル板にねじ穴を開け、ねじを回し入れてキーホルダーを作りました。ねじを作るためにタップという道具を使いますが、まっすぐ立てて回転させるのが難しそうでした。アクリル板には「ニコニコ超会議2024」のロゴも入っており、おみやげにぴったりの体験でした。
ニコニコ生放送「KEKの研究を紹介!」
KEKで行われている、宇宙・物質・生命に関わる多種多様な研究の一部を現役研究者が紹介するトークショーを、ブースから生放送しました。
1日目は、KEKと超KEKブースの紹介から始まり、理研R-CCSさんとコラボしたスーパーコンピュータ富岳をテーマにしたトーク、「カシミールフォース」という超狭い間隔に働く力について、素粒子ミュオンを使った古墳の透視について。2日目は茨城県東海村にあるJ-PARCの加速器やそこで行われているニュートリノの研究について研究者が語り、トリは4月に就任したばかりの浅井機構長が務めました。
会場は立ち見になるほどの回もありました。
超KEK解説では、茨城県内の出展者とコラボしたスタンプラリーについて茨城県の遠藤 智之さんに紹介してもらいました。KEKからはスタンプラリーのプレゼントとして、茨城県公認Vtuberの茨ひよりとコラボしたクリアファイルを提供しました。配布したうちわの裏にも茨ひよりがプリントされています。
生放送の録画は、ニコニコ動画のプレミアム会員と事前にタイムシフト予約した方が見ることができます。
https://ch.nicovideo.jp/kek/live
ノベルティとして用意した紙袋は3,000部、うちわは5,000枚を配り切り、ガラポンも1,000人以上の方にチャレンジしてもらえました。多くの方にKEKについて知ってもらうことができました。