技術職員専門研修「第二種電気工事士になろう研修」を開催しました

技術部門の専門研修「第二種電気工事士になろう研修」を2024年2月に開催しました。一般的に、電気工事の作業に従事するには電気工事士という国家資格が必要です。本機構には加速器科学を推進する実験のため、多数の電気設備が設置・運用されています。そのような設備のうち、機構の技術職員自らが低圧部分の工事を行ったり、直接作業に従事することはなくとも委託したりすることがあります。電気工事の欠陥による災害の発生防止に寄与する観点から電気工事士の取得は望ましいといえます。

電気工事士は、扱うことができる電気工作物の作業の別によって、第一種電気工事士と第二種電気工事士に分けられます。いずれも学科試験と技能試験から構成されており、なかでも技能試験については制限時間内に指定された工作物を完成させることが求められています。本研修は第二種電気工事士の取得に焦点を当て、電気工事のエキスパートが講師となり、技能試験を重視した実習を中心に実施しました。今回の研修には多数の応募者があり、抽選により5名のKEK技術職員が受講し、以下の座学と実習を通して第二種電気工事士の受験に向けて学習しました。

研修日程:

  •   座学 2月6日(火)
  •   実習1 2月13日(火)
  •   実習2 2月21日(水)
  •   実習3 2月27日(火)

※学科試験合格者には追加の講習を行う予定。

講師:

植田 猛 技師(加速器研究施設 加速器第四研究系)

長橋 進也 先任技師(加速器研究施設 加速器第六研究系)

研修の様子

筆記試験対策の座学では、受講者に事前に指定した問題を解いてもらい、研修で答え合わせと解説、活発な質疑応答がなされました。実習では、基本作業の一つである「のの字曲げ」やリングスリーブなどを用いたケーブル接続を学んでから、実際の技能試験に出題される候補問題に挑戦しました。候補問題の単線図を複線図に描き直したりケーブルを加工したりする中で悩む場面もありましたが、講師と受講者ともに熱心に取り組む様子が見られました。

研修後のアンケートでは、「分かりやすかった」や「丁寧に相談に乗っていただけて、雰囲気が良かった」といった意見だけでなく、「ペースが早かった」という今後に活用しうるものもありました。所属部署を横断してその道のプロフェッショナルから直接技術を学べるということは、技術職員専門研修の最大の強みです。本研修で得られた電気工事士に関する知識や経験は、今後の資格取得や業務に役立つと思います。また、技術部門としても本研修を継続して開催する予定です。

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