技術職員インターンシップを開始して今年で7年目となります。毎回大変好評で、今夏も東北から九州までの広範な地域から合計21名の方にオンラインでご参加いただきました。午前中のWebオリエンテーションでは、スタッフを含めて総勢46名が参加して、機構全体の説明や各研究所・施設の概要、そして先輩技術職員の業務紹介を行いました。
参加者からは、「興味がある分野の話を聞くことができ、実際に働くイメージができた」「興味がなかった分野についても、説明を通じて探究心が芽生えつつある」など の声が挙がり、広い分野に関わるKEK技術職員の業務内容と将来の展望に魅力を感じ、職場の雰囲気を間接的に味わっていただくことができました。
午後は希望した3コースに分かれて14名がweb上で仕事を体験しました。
加速器を支える3ギガヘルツ電波技術
―クライストロン・加速管を中心に
KEKつくばキャンパス電子陽電子入射器(電子陽電子LINAC)の概要の紹介後、参加者にとっては聞きなれない単語ばかりだったと思いますが、3ギガヘルツ電波技術やクライストロン、加速空洞、パルス電源、フラックスコンセントレータなどの紹介がありました。そして、今春着任した技術職員から新人としての経験談があり、Google マップで加速器トンネル内をバーチャル見学しました。実習としてExcelを使ってクライストロンの動作原理をPC上で体験しました。
クライストロンの説明では、写真とウィキペディアの解説なども入れて分かりやすい ように行われました。
ナゼ放射線管理が必要なのか?
―加速器と切っても切れない放射線
法令で定められる加速器とはどのような物か、またこのような加速器に対してどのような規制や義務が生じるのかを放射線を軸に解説しました。加速器と放射線の関係を説明し、法令に定められた義務などを満たすため技術職員がどのような業務を行っていくかの説明を行いました。また、放射線の影響軽減の事例を交えながら、放射線管理の意義を実践的に考察しました。
素核研の仕事体験リモート編
―素核研技術職員職場紹介
素粒子原子核研究所の技術職員の仕事を紹介しました。この宇宙や物質の根源的な謎を解明するための素粒子や原子核の研究における技術職員の役割を明らかにし、新技術や実験手法の開発に取り組む姿勢を伝えました。そして、クライオジェニック、メカニカルエンジニアリング、ハドロン実験、エレクトロニクスシステム、ニュートリノ実験のグループの仕事内容を具体的なプロジェクトと共に紹介しました。多様な技術の応用と実験の成り立ちに触れていただきました。
ハドロン実験棟での電磁石組立作業や特殊真空フランジの取り付け作業の動画を見ながら技術職員の仕事を説明しました。
各グループの技術職員の具体的な仕事を紹介しました。
全体を通して、各コースでの具体的な説明や視覚を通して得た体験が好評でした。受講した皆さんの感想の一部を次に紹介します。
- Webオリエンテーション後、モノづくりの魅力が分かり、幅広い分野での活躍に興味を持ちました。
- 専門外で入職しても、専門家になって活躍できる育成環境が好印象です。
- 最先端の実験への参加や困難な仕事に魅力を感じました。
興味ある分野を深められる点が良いですし、技術職員の多彩な役割に興味を持ちました。 - 自己マネジメントが必要であり、自由な発案が魅力です。
- 刺激的で楽しい職業だと感じましたし、技術職員の役割に興味を持ちました。
次回は、オンサイト体験コースのインターンシップを開催します。希望者16名には、KEK(つくば・東海キャンパス)に来構していただき、技術職員の現場の臨場感を体験してもらう予定です。
KEKキャンパスオンサイト体験コース:2023年9⽉4⽇(⽉)〜9⽉8⽇(金)
関連リンク
研究系技術職員インターンシップ(2023年8月・9月開催)
これまでの技術セミナーなどのKEK研究系技術職員の記事
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