技術部門、「KEKの研究を加速する技術力」技術交流会を開催

第37回技術交流会が令和4年11月17日に開催されました。かつての高エネルギー物理学研究所時代から続いている、技術職員を中心にした交流を行うイベントで、彼らの業務を機構内に発信しています。コロナ禍でここ3年はオンライン開催でした。今回はようやく本会場とzoomによる参加というハイブリッド開催となりました。オンライン時代よりも多い137名の方々が参加しました。会場の小林ホールには、登壇者をはじめ36 名が集まりました。特に登壇者が発表する際は緊張感や意気込みが感じられ、会場の雰囲気というのはPCの画面越しとは大きく違います。

このように開催された今回は、「KEKの研究を加速する技術力」というテーマでした。加速する技術力という言葉は、推進力と躍動を感じさせます。Keep Accelerating というKEK のキャッチコピーにもなっているテーマにも通じます。KEKのような大型の複合装置での実験が共同利用という形で行われる場において、技術力はエッセンシャルな要素です。研究を加速するには、研究基盤となる安定した技術力と、新しい研究に発展させるという二つの異なる技術力が必要になります。KEKの「無いなら作ってやろう」という文化が、これらの原動力と言えると思います。

最初に5名の今年度の新人の紹介が行われました。新人のみなさんは、4月から9月までに、全日程44日という長丁場の初任者研修を終え、現在は各職場での最初の仕事にトライしているところです。元気な自己紹介を聞くことができました。続いての採用2年目のみなさんからは、より本格的な仕事の発表が聞かれました。すでに学会発表なども積極的に参加されていて、このような口頭発表の場でも、高い意欲が感じられ印象的でした。最後の専門家5名からは、J-PARCの高度化に向けた技術が3件、つくばキャンパスの電子・陽電子加速器群の安定運転のための技術が1件、技術の展開としての経験に基づく戦略に関して1件と、幅広い「研究の加速」の講演がありました。講演は苦労されていること、困難を乗り越えたことなど、またそのための発想がどのように生まれたかなど、専門家らしい内容で、技術屋としてためになり、この場で一緒に考えるという時間を共有することができました。

閉会した会場では、発表後の達成感と安堵感から、登壇者の周りに楽しい会話の輪ができました。これぞ交流と実感しました。また、久しぶりに会って弾んだ話をしている人達も見られました。来年は懇親会もセットで開催ができたらさらによいと思います。

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