「つくば科学フェスティバル」は、つくば市とつくば市教育委員会が主催する科学を楽しむための体験型イベントです。市内の小中学校・高校・大学・研究機関などが出展し、研究者や学校教職員と子どもたちによる科学実験をはじめ、観察・工作など様々なコーナーが設けられます。今年は11月12日(土)、つくば駅近くの多目的施設つくばカピオにおいて、「つくば環境フェスティバル」と合わせ「つくばサイエンスコラボ2022」として3年ぶりに開催されました。会場は、親子連れや出展機関の中学・高校生で大賑わいでした。
KEKは「見て、さわって、体験しよう! ~KEKおもしろ実験教室~」と銘打ってブースを出展しました。KEKブースでは、強力な磁石でできたレールに沿って液体窒素で冷やした車両を走らせる「超伝導コースター」や、アルコールとドライアイスと手の温かさを使って目には見えない放射線が通った跡を見る「霧箱」、偏光フィルムをうまく組み合わせて不思議な箱を作る「ブラックウォール工作」の体験ができ、多くの来場者で賑わいました。新型コロナウイルスとその中和抗体・受容体の精密な模型を使った立体パズルで中和抗体のしくみを学ぶ「ウイルスの中和抗体あるときないとき」や、量子力学の世界を解説するアニメ「クォンタム・ケイト」を視聴できるコーナーも設けられました。
手袋をして超伝導コースターの「車両」を走らせ、目を輝かせ歓声を上げる親子連れや、競うようにブラックウォール工作に取り組む義務教育学校7年生の3人組もいました。理科という教科はまだ習ったことがないという小学2年生も霧箱体験に挑戦し、放射線が作るひこうき雲のような軌跡を長時間一心に見つめていました。
また、KEK広報室の髙橋将太さんは、つくば科学教育マイスターとして、つくば市科学技術振興課のブースで科学教室「霧箱で素粒子の観察にチャレンジ!」を開催しました。つくば科学教育マイスターとは、つくば市が認定した科学教育活動のプロフェッショナルで、今回のイベントでは4人のマイスターが白衣とタスキを着けて会場を巡回しました。
KEKの常設展示施設 KEKコミュニケーションプラザには大型の霧箱があり、開館中ならいつでも自然放射線の軌跡を見ることができます。また、アニメ「クォンタム・ケイト」はYouTube KEKチャンネルで視聴できます。