大学共同利用機関シンポジウム2021を開催

大学や企業の研究者に研究資源や実験装置などを提供している4つの大学共同利用機関がその研究内容を紹介する「大学共同利用機関シンポジウム2021~宇宙・物質・エネルギー・生命・情報・人間文化:フロントの知を楽しもう~」が10月24日(日)、昨年に続いてオンライン形式で開かれ、KEKは創立50周年にちなんだ研究トークとBelle II測定器のバーチャル見学会を実施しました。同シンポジウムは文部科学省の後援で2010年から毎秋開かれており、今回で12回目です。Zoom WebinarとYouTube Liveで配信されました。

(左から)足立理事・鎌田名誉教授・宇野教授・雨宮教授

KEKの研究者トークのトップバッターは足立伸一理事で、50周年記念ビデオを使ってKEKの概要を紹介しました。続いて鎌田進名誉教授が、陽子シンクロトロン加速器の建設と素粒子原子核研究で始まったKEKがその後、次々と新しい加速器を作り出して新しい研究分野を切り拓いていった歴史を振り返り、「加速器は研究分野の壁を超える」という言葉で結びました。素粒子原子核研究所の宇野彰二教授は大強度陽子加速器や電子・陽電子衝突型加速器などを使ったKEKの最先端の素粒子原子核研究の歴史を概説しました。最後に物質構造科学研究所の雨宮健太教授が、加速器から得られる放射光、中性子、ミュオン、低速陽電子の4つの量子ビームを使って、原子レベルから高分子、生体分子までの複雑な構造とその機能を研究してきたKEK50年の歴史と未来の姿を紹介しました。トークの終わりには、チャットに寄せられた参加者からの質問に答えました。

バーチャルツアーの様子

また素核研は研究者トークと並行して、約1時間にわたってBelle II測定器のバーチャルツアーを行いました。事前に録画した現場の映像を流しながら研究者が臨場感のある解説をするもので、参加者たちは安全上などの問題で普段はなかなか見れないところまで見学することができました。

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