国立科学博物館で企画展「加速器~とてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質と生命の謎に挑んでみた~」が始まりました

企画展「加速器 ーとてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質と生命の謎に挑んでみたー」

東京・上野公園にある国立科学博物館で7月13日、企画展「加速器~とてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質と生命の謎に挑んでみた~」(国立科学博物館、高エネルギー加速器研究機構、日本原子力研究開発機構が主催)が始まりました。子どもから大人までが最先端の加速器科学について学べる企画展で、10月3日まで開催されます。大型加速器施設の様子や発展の歴史を紹介しつつ、加速器の初歩から宇宙の謎に迫る最先端研究、身近なところで利用されている研究成果まで、わかりやすく解説します。なお、入館には国立科学博物館のホームページでの事前予約が必要です。 高校生以下と65歳以上は入館無料です。

加速器展の正面入り口

第1会場(日本館1階企画展示室)が展示のメインですが、第2会場(地球館地下3階常設展示室)でも日本の大型加速器の歩みをたどれる、日本の古い大型加速器の機器などの展示が行われています。このほかに、期間中の7月24日にはカリフォルニア大学バークレー校の村山斉教授の講演が、8月28日(予定)には山内正則KEK機構長の講演が同館で行われます。この講演の聴講もまたホームページでの事前予約が必要です。

第1会場の展示は3部に分かれており、第1部のテーマは「加速器ってなんだ」で、「原子よりも小さな粒子って何」「どうやって加速するの」「加速してどうするの」など来館者の疑問に答えます。ここではBelle II 測定器の10分の1模型や宇宙線を可視化するスパークチェンバーなどを展示しています。第2部は「巨大実験施設へようこそ」で、大型加速器施設とはどんなところなのか実感してもらえるよう工夫されてており、カメラを持ってJ-PARCのメインリングを一周して歩いた映像が上映されていたり、加速管のカットモデルや超電導磁石のスライスが展示されていたりします。最後の第3部は「宇宙・物質・生命の謎にせまる」で、二重超原子核の実験で使われた原子核乾板や放射光で構造が解明されたタンパク質の一千万倍模型、Belle II 実験のモニター画像などが展示されています。

電子・陽電子加速器用加速管のカットモデル
放射光を使って構造が明らかになったタンパク質の模型=手前
研究者の施設移動用自転車

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