KEK創設50周年を記念した第2回KEK公開講座が7月3日(土)に開かれ、永宮正治名誉教授が「宇宙の進化と原子核~原子核研究の歴史とKEKの貢献~」と題してZoomを使ったオンラインで講演しました。参加者は約80人で熱心な質問が数多く寄せられました。50周年記念シリーズの第3回と第4回は10月に開催予定です。
講演では冒頭、ビッグパン直後に素粒子クォークが誕生し、それが合体して陽子や中性子が生まれ、さらに原子核が形成された後、元素合成、恒星の誕生、恒星の進化とともに銀河が生まれた宇宙誕生の歴史について解説。続いて、大きな恒星の最後に超新星爆発が起こり、高密度の中性子星やブラックホールが誕生し、中性子星の合体から中性子の多い重元素群が多数作られたところまでを語りました。
後半には、KEKが進めてきた加速器を使った研究について触れ、中性子星に見られる新たな自由度を持つ原子核への探究や宇宙初期のクォークへの解離といった側面への挑戦ついて語りました。また最後には「高密度核の中性子星ではストレンジクォークの役割が決定的に重要です」としました。
会場からは「常温核融合研究は現在どうなっているのか」「最近見つかった一番遠い銀河は何ですか」「ニュートリノなどの宇宙線を電気エネルギーに変えて発電はできないのか」などさまざまな質問が寄せられ、一つひとつ丁寧に回答しました。