ホタルの発光メカニズムを探れ!

炭素原子X線吸収計測でルシフェリン分子の構造変化を解明

群馬大学
高エネルギー加速器研究機構
自然科学研究機構 分子科学研究所
総合研究大学院大学
静岡大学

概要

群馬大学大学院理工学府・工藤優斗(2022年度修士卒)、樋山みやび准教授、板橋英之教授、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所・熊木文俊博士研究員、足立純一講師、分子科学研究所(総合研究大学院大学)・長坂将成助教、静岡大学・野口良史准教授、名古屋大学・古賀伸明名誉教授による共同研究グループは、炭素原子のX線吸収の計測および理論計算による分析を通じて、ホタル生物発光の発光色に大きく関わるホタルルシフェリン(以下、ルシフェリンとする)のフェノール性水酸基からの脱プロトン化がpHの変化により生じる様子を明らかにすることに成功しました。

本件のポイント

  • ホタルは基質であるルシフェリンが酵素と化学反応することにより光を発している
  • ホタルの発光色が溶液のpHや温度などの違いにより変化することは古くから知られているが、発光色が決まる分子的なレベルでのメカニズムは依然として謎のままである
  • 今回、ルシフェリン構造変化のモデルケースであるプロトン脱離に着目した
  • X線吸収計測と量子化学計算から、構造変化を反映する炭素原子X線吸収スペクトルを特定した
  • 本研究により元素選択的な新しい視点で発光色変化メカニズムを解明する道が拓かれた

詳しくはプレスリリースをご参照ください。

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