報道関係各位
大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
Belle II実験は、未解明である宇宙創生のメカニズムを解く鍵となる新しい物理現象を探すため、SuperKEKB加速器での電子と陽電子のビーム衝突で作り出されるB中間子などの粒子の性質を詳しく調べる素粒子物理学実験です。これらの粒子が崩壊するパターンを詳細に調べることで、宇宙から反物質が消えた謎や暗黒物質の正体に迫ります。
2022年夏から約1年半にわたる運転停止期間中に、加速器や検出器の改良、さらに新たな崩壊点検出器のインストールを完了させました。2024年1月からビーム運転が始まりBelle II測定器でのデータ収集を開始する予定です。
今回の記者サロンでは、説明のほかにBelle II測定器の見学会も実施します。ビーム運転中は見ることができないBelle II測定器の衝突点付近を間近に見ていただき、希望者には特別に測定器の扉である「エンドヨーク」を閉じる作業を体験していただくことも可能です。素粒子の進路を曲げて運動量を測定するため、測定器内部には一様な磁場をかけます。その磁場が外に漏れないようにするために大きな鉄の扉（ヨーク）で閉じ込めます。扉にはセンサーを埋め込む隙間があり、鉄とセンサーのサンドイッチ構造になっています。この扉は1枚の重さが約150トン、前方と後方2枚ずつでおよそ600トンになります（写真左）。メンテナンスや新たな検出器設置のため開放されていましたが、運転再開に向けて閉じられることになります。当日はこのエンドヨークの下部に取り付けられたハンドルを回して扉を閉める作業を体験していただくことが可能です（写真右）。
午後の部では、2019年から収集された実験データを用いた解析の結果や今後の展望について詳しく解説いたします。こちらはオンラインでも参加が可能です。
概要
日時：2023年12月18日（月）9：30〜14：30
場所：高エネルギー加速器研究機構（KEK） つくばキャンパス
スケジュール
9：30 KEK2号館1F大会議室 集合
9：45-11：45 Belle II測定器見学会 ＠筑波実験棟
（昼食各自）
13：00-14：15 「Belle II実験で新物理法則の発見を目指す」
※オンラインでの参加も可能です。
14：15-14：30 質疑応答
説明者
〇中尾 幹彦（なかお みきひこ）
高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 教授
素核研Belleグループリーダー
〇松岡 広大（まつおか こうだい）
高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 准教授
Belle II実験
参加申し込み
参加をご希望の方は、件名を「12/18 記者サロン参加申込」とし、下記の内容を明記の上、KEK広報室（press@kek.jp）までメールでお知らせください。お申し込みいただいた皆様には、12月15日（金）までに当日のご案内をさせていただきます。
・所属、氏名
・現地参加 または オンライン参加（午後～）
・エンドヨーク作業体験の希望
申し込み締め切り：12月13日（水）12時
申し込みについてのお問い合わせはKEK広報室までお願いします。
高エネルギー加速器研究機構 広報室
Tel: 029-879-6047
e-mail: press@kek.jp
お問い合わせ先
【研究に関すること】
KEK素粒子原子核研究所・広報
Tel: 029-864-5200 ext.4876
e-mail: ipns-pr@ml.post.kek.jp
【報道担当】
高エネルギー加速器研究機構 広報室
Tel: 029-879-6047
e-mail: press@kek.jp