サッカーボール型タンパク質ナノ粒子TIP60を壊して戻す技術開発

慶應義塾大学
信州大学
高エネルギー加速器研究機構

概要

慶應義塾大学大学院理工学研究科の大原直也(博士課程2年)、同大学理工学部生命情報学科の川上了史専任講師、宮本憲二教授、信州大学繊維学部・バイオメディカル研究所の新井亮一准教授、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の安達成彦特任准教授らの共同研究グループは、人工的に設計されたサッカーボール型中空タンパク質ナノ粒子TIP60が、60分子が自発的に集まってできあがる仕組みに着目し、自在に分子をバラバラにしたり、元のサッカーボール形状に戻したりできる構造形成の制御技術を開発しました。これにより、内部の空間にDNAなどを内包することができ、将来的な薬物のカプセルとしての利用などが期待されます。
本研究成果は、2022年12月21日に、米国化学会誌Journal of the American Chemical Societyのオンライン版に掲載されました。

本研究成果のポイント

・60分子が集まってできる(60量体)サッカーボール型タンパク質ナノ粒子TIP60をバラバラにしても、元に戻せる仕組みを開発した。
・元に戻すには、カルシウムやバリウムなどの金属イオンを添加するだけでよいことを示した。
・クライオ電子顕微鏡単粒子解析により、再会合したTIP60の立体構造解析に成功し、金属イオン結合部位等を明らかにした。
・再会合時に同時に添加したDNAが内部空間に閉じ込められることも明らかにした。

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