つくば駅前特設展示「POP into サイエンス」 開始のお知らせ -第1回 中和抗体あるときないとき-

「POP intoサイエンス」展示のようす トナリエつくばクレオにて

高エネルギー加速器研究機構

概要

つくば市は研究学園都市と呼ばれ数多くの研究所がありますが、つくばエクスプレスつくば駅で降りても、研究所の街という雰囲気はあまり感じられません。また、KEKつくばキャンパスには常設展示施設「KEKコミュニケーションプラザ」がありますが、駅から遠く、電車でつくばを訪れた方にはアクセスしやすいとは言えません。
そこで、KEK物質構造科学研究所(IMSS)では、つくば駅前の商業施設で特設展示を行い、訪れた人々に研究所の存在や研究の内容を知っていただこうと考えました。ちょっと立ち寄って科学に触れてもらえたらという意味を込め「POP intoサイエンス」と名づけました。

今年度の展示は構造生物学研究センター(SBRC)が担当します。初回の展示テーマは「中和抗体あるときないとき」です。
SBRCでは、タンパク質のかたちを調べ、その機能や起源を解明するための研究をしています。このコロナ禍で、人々の関心が高い新型コロナウイルスと感染を防ぐ「中和抗体」について、構造を詳しく見てみようと企画しました。
中和抗体とは、ウイルスなどに感染した後やワクチンを打った後に体内で作られるタンパク質の一種です。中和抗体がウイルスのスパイクタンパク質にくっつくと、ウイルスはヒトの細胞の受容体にくっつきにくくなります。

展示では、体内に中和抗体があるときとないときの細胞の周りの様子を大きなパネルに描きました。クライオ電子顕微鏡や放射光(X線)を用いて解き明かされた中和抗体・スパイクタンパク質・受容体のかたちを描いています。一般に「鍵と鍵穴」と表現されるものが、実際にはどんなかたちなのかを確かめてみてください。
また、パネルの裏面では、ヒトの細胞に対してウイルスや中和抗体、受容体がどのくらい小さいのかが分かるよう、横幅いっぱいに細胞を描いています。

発表のポイント

○高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所(IMSS)では、つくば駅前トナリエつくばスクエア クレオ3階において特設展示を開始
○今年度の企画は構造生物学研究センター(SBRC)が担当
○初回の展示テーマは、ウイルスに対する「中和抗体」

詳しくは  プレスリリース  をご参照ください。