タンパク質のかたちから生命のしくみを知る
ゲノム情報が実際に有用な知識として応用されるには、生体高分子、特にタンパク質やその複合体の立体構造を原子レベルで解析することが不可欠です。 タンパク質の結晶に放射光X線をあて、回折されたX線から精密な立体構造を調べるタンパク質X線結晶構造解析、溶液中のタンパク質の構造を調べるX線小角散乱などの方法が用いられています。
物質構造科学研究所には、構造生物分野の研究開発を推進するために、構造生物学研究センターが設置されています。 ここでは、国内外の研究グループと共同研究ネットワークを組み、分子生物学や細胞生物学のみならず、分析装置開発までも含めた構造生物分野の研究開発を推進しています。 タンパク質の構造解析には欠かせない世界最高水準のタンパク質構造解析装置を備え、共同利用実験や共同研究を進めています。 さらに、タンパク質の結晶化を大規模に行うロボット、サンプル交換ロボット、それらを統合するコラボサーバーやソフトウェア、次世代X線検出器など、より効率よく高度な構造生物学研究を行うためのさまざまな技術開発を行っています。