第3回 IINAS Forumを開催

第一部 北原氏による講演
第二部 VRデモ体験

大学加速器連携ネットワークによる人材育成等プログラム(IINAS)の「第3回 IINAS Forum 」が、8月28日(金)にオンラインで開催しました。今回のIINAS Forumは、コロナ禍の状況を鑑み、“VR”に焦点を当て、今後の会議やスクール等の開催に活かすことを目的に企画しました。

第一部では、今年7月にVRで学会を主催した、東京女子医科大学/早稲田大学の北原秀治氏を講師に招き、体験談をもとに講演いただきました。北原氏は癌を専門とする研究者で、医療更には科学全般を取り巻く様々な社会活動にも積極的に取り組んでおり、米国ボストン滞在中には、海外における日本の科学技術プレゼンス向上を目指して、海外で研究に従事する日本人研究者コミュニティを束ねる「海外日本人研究者ネットワーク(UJA)」の法人化に寄与しました。2020年7月にはUJA主催のサイエンスフォーラムをシカゴ総領事館で開催する予定でしたが、従来方式での開催が困難な状況の中で、最新のVR技術を活用したオンライン会議を成功に導きました。講演では、メイン会場でのセレモニー、パラレルセッションでの講演、ポスターセッション等を複数のプラットフォームを連携させて実現した事例を紹介され、人数や使用機材の制限など、今後の課題についても発表いただきました。会場からは、ポスターセッションでの質疑応答のやり方、実習を組み入れる可能性、仮想空間でのホワイトボードを使った議論等、具体的な利用状況を念頭に置いた質問が多数出されました。

第二部では、実際にVRの世界を体験すべく、VR/AR/MRプロダクトの企画・開発、XR(VR/AR/MRの総称)技術の研究開発を行っている株式会社Synamon社の協力のもと、会議システムのサンプルデモを実施しました。機構の役職員他、総研大の学生等が実際にVRゴーグルを装着し、バーチャルの空間と現実社会の写真等を合成した、現実に近い空間を体験し、その空間にある物体を移動させるなど、これまでにない世界感を体験しました。

VR画像

まだ身近でなじみのないVRについて、実施方法や実際の世界感を味わうことで、国境を越えられない昨今の状況下においても、新しい国際的な会議やスクールの開催手法の一つとして、今後活かせるような意義深いイベントになりました。