50周年記念の第4回KEK公開講座を開催

50周年記念シリーズ最後となる第4回KEK公開講座が10月16日(土)、Zoomを使ったオンラインで開かれ、鎌田進名誉教授が「KEK加速器50年の歩み」と題して、KEKで建設される各種加速器の進化の歩調に合わせて新しい研究分野が展開されていった科学技術の流れを解説しました。参加者は約60人で、講演の後には熱心な質問が数多く寄せられました。

KEKで現在稼働している加速器群は大きく「陽子加速器施設」と「光源加速器」そして「電子・陽電子コライダー」の3つに分類できます。講演では、KEK発足時前後の世界の加速器開発の潮流を説明した後、シンクロトロンの原理の説明から始まり、弱収束シンクロトロンの展開、強収束シンクロトロンでの大型化への流れを語りました。

KEKではまず陽子シンクロトロン加速器が建設され、その後、フォトンファクトリーが稼働開始、さらにトリスタン、KEKB、J-PARCへと展開されていきます。そのような展開を、鎌田さんは豊富な体験からいきいきと語りました。

講演の後は視聴者からの質問コーナーです。「SuperKEKBの電子と陽電子の衝突時のエネルギーはどうして異なるのですか」「リングの中の荷電粒子は重力の影響を受けないのですか」「50年間でKEKはどのくらい開発資金を投入したのですか」「電子と陽電子が衝突すると、最初は対消滅するのですか」など多くの質問が寄せられました。