国立科学博物館で村山斉IPMU教授による講演「夢を追う道具:加速器」が行われました

東京・上野公園にある国立科学博物館で7月24日(土)、村山斉IPMU教授による講演「夢を追う道具:加速器」が行われました。コロナ禍のため、会場の参加者は60人に制限されました。国立科学博物館と高エネルギー加速器研究機構、日本原子力研究開発機構が主催する企画展「加速器~とてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質 と生命の謎に挑んでみた~」(7月13日~10月3日 )の一環です。8月28日(土)には、山内正則機構長による講演「加速器だから見える世界」が行われます。

冒頭、村山教授は「宇宙がどのように始まり、どう終わるのか、宇宙は何でできているのか、私たちはなぜ存在するのか‥は、人類誕生以来の疑問ですが、それが今や科学の力で迫れるのです」と語りました。その謎を解明する科学の道具が、遠方の宇宙を見る巨大望遠鏡であり、極微の世界を探る加速器ということです。

続けて「巨大望遠鏡でビッグバンから38万年以降の宇宙を見ることはできますが、それより以前の小さかった宇宙は見ることができません。そこで私たちは、加速器で小さなビッグバンを実験室で作り、宇宙の始まりを明らかにしようとしているのです」と語り、加速器の歴史や仕組みなどを解説しました。

さらに村山教授は、「私たちはなぜ存在するのか」という疑問に直接関係する「宇宙から反物質が消えた謎」を追求している、素粒子物理学の歴史や現状についてわかりやすく解説しました。そして「日本には大きな加速器が2台あります。一つがKEKつくばキャンパスにある世界一明るいSuperKEKBで、もう一つがJ-PARCにある世界で最もパワフルな大強度陽子加速器です」と、日本の加速器科学の現状について紹介しました。2008年の小林・益川両博士のノーベル物理学賞受賞に貢献したKEKB/Belle実験についても触れ、「つくばの名産は生産量世界一の反物質です」などというジョークを飛ばしては会場をわかせました。