リモートでJennifer2素粒子物理・測定器に関するサマースクールを開催

日欧の大学生および大学院生が素粒子物理学について学ぶ「Jennifer2素粒子物理・測定器に関するサマースクール」が7月20日から1週間、リモート形式で開催されました。新型コロナウイルス感染が世界的に拡大しているなか、今回はスクールの会期を短縮し、リモート形式を採用するとともに、参加者は主に欧州の学生82人が参加しました。
本スクールは EUの研究・イノベーション事業「Horizon2020」のフレームワークにおける欧州と日本の研究者間交流を推進するプログラム「Jennifer2」の一環として、本年度は初めて日本での開催を予定していました。 欧州と日本の大学院生等がKEKに滞在し、高エネルギー素粒子物理学とその関連分野について第一線で活躍する研究者による講義や実習、加速器施設の見学などを通じて、最先端の研究を体験し、研究へのモチベーションを高めることを目的としています。
今回、講義はほぼ当初の予定通りに第一線の講師陣によるリモート講義を中心に実施しました。リモートであることで学生が質問をし易くなったのか、講義後は熱心な質疑応答が続きました。また、現地での実習が中止になった代わりに、欧州の研究者が学生の演習の面倒を見る「メンターシップ」が試行されました。
最終日にはKEKの研究や施設をより深く理解してもらうため、つくばキャンパスと東海キャンパスのバーチュアル・ツアーを実施。質疑応答が活発に行われるなど、リモートながらも臨場感のあるツアーを体験してもらうことができました。スクール終了時には、学生と組織メンバーがワインなどをカメラの前に持ち寄って、リモートバーチュアル乾杯、歓談をしました。
初めてのリモート開催でしたが、日欧の組織メンバーたちの努力と工夫で、大きな成功を収めることができました。 リモートとなったおかげで参加人数の制限がなくなり、希望者全員の参加も可能となりました。また、スクールに先駆けてFacebookを活用した講師と参加者間の交流やメンターシップ制度を導入したことなどで、親密なコミュニケーションや熱心な指導が行われ、参加者たちからも高い評価が得られました。

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