PF研究会「KEKにおけるクライオ電子顕微鏡:これまでの5年間とこれから」(クライオ電顕実験棟 完成披露シンポジウム)

開催日時

2023/09/28 13:00 – 2023/09/29 16:35

開催場所

研究本館 小林ホール

講演者

小杉真貴子(基生研)、森 貴裕(東大)、Alex de Marco(NYSBC)、Takayuki KATO (Osaka U)、Christoph Kaiser (MPI)、Raymond Burton-Smith(NIPS)他

言語

日本語

お問い合わせ

cmasuda[at]post.kek.jp


概要

クライオ電子顕微鏡単粒子解析法は、今日の構造生物学にとってなくてはならない技術になっています。特に、超分子複合体や膜タンパク質の構造解析に関しては、放射光を凌ぐ能力を示しており、非常な勢いでその技術が世界に広まりました。このため、この約10年で世界中にクライオ電子顕微鏡(クライオ電顕)の施設が作られ、世界各地の放射光施設にもクライオ電顕の施設が設置されることが標準になっています。このようなクライオ電顕の世界的な普及を受けて、2018年3月、KEKに共同利用型200kVクライオ電子顕微鏡(Talos Arctica)が導入されました。2022年12月時点のKEKクライオ電子顕微鏡の状況は、外部ユーザーに供出するマシンタイムは年間200日以上、ユーザー数は年間約50グループ(企業含む)となっており、これまでKEKのクライオ電顕施設を使った論文は20報以上が発表されています。これらの数字は、KEKのクライオ電顕施設が大学共同利用機関に設置された装置としての役割を十分に果たしていることを示しています。さらに、2022年3月には、クライオ電顕実験棟が完成し、2022年12月には300kVクライオ電子顕微鏡(Titan Krios G4)が導入されました。その結果、KEKにおいても高分解能データの取得が可能な体制となっています。また、KEKを中心にクライオ電顕を持つグループの集まりであるクライオ電顕ネットワークが設立され、KEKは国内のクライオ電顕コミュニティの中心としても活動しています。

本PF研究会では、「KEKにおけるクライオ電子顕微鏡:これまでの5年間とこれから(Cryo-EM in KEK: 5-year history and future)」と題し、KEKにおけるクライオ電子顕微鏡に関するこれまでの取り組みを紹介するとともに、放射光実験との連携などを含めて今後の展開についてユーザーの皆様と共に議論を深めたいと考えています。また、本PF研究会に合わせて、KEKのクライオ電顕ユーザーとの意見交換のために、KEKクライオ電顕ユーザーミーティングを開催したいと考えています。