C-配糖体の安定な炭素ー炭素結合を切断する酵素の機能と立体構造を解明

C-C結合切断酵素の結晶構造
腸内細菌由来のC-C結合切断酵素(左)と、土壌細菌由来の酵素(右)。
基質結合や反応に関わるアミノ酸、金属を特定した。
Mnイオン:マンガンイオン


国立大学法人筑波大学
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

 

概要

植物が作るさまざまな化合物の多くは糖と結合しています。これは、細胞内で安定に溶けやすくするためです。これらは一般に、酸素原子を介して糖と化合物が結合するO-配糖体という形をとりますが、天然には、炭素原子に直接糖が結合したC-配糖体も存在します。C-配糖体は、糖の炭素が化合物の炭素と炭素―炭素結合しているため、極めて安定で、O-配糖体と比較すると数は少ないですが、葛根湯などの漢方薬や赤色食用色素など、日常生活の中で摂取することもある化合物です。これらの配糖体化合物を体内に摂取すると、腸内細菌によって糖部分が切断されることで活性化、吸収され、薬効を示します。この、糖を切断する役割は、腸内細菌のもつ酵素が担っていると考えられていましたが、酵素の詳しい性質は分かっていませんでした。

 

本研究では、腸内細菌と土壌細菌の双方から、C-配糖体の炭素ー炭素結合を切断する酵素を発見し、その機能を解析しました。このような酵素が土壌細菌から見つかったのは今回が初めてです。さらに、酵素の結晶構造も明らかにし、これに基づいて、腸内細菌が炭素ー炭素結合切断反応によって食物成分を活性化する酵素的メカニズムを世界に先駆けて解明しました。本研究は、ヒトなどの生物内と土壌などの自然環境中でのC-配糖体の代謝を初めて捉えたもので、C-配糖体代謝のメカニズムを解き明かすきっかけになると考えられます。

 

本成果は2021年11月2日にNature Communicationsに掲載されました。

 

 


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