水系リチウムイオン電池実用化のカギを握る濃厚リチウム塩水溶液の液体構造を解明

水系リチウムイオン電池実用化のカギを握る濃厚リチウム塩水溶液の液体構造を解明
図1 中性子・X線を利用した実験と理論的なシミュレーションより得られた濃厚リチウム塩水溶液の液体構造

新潟大学
山口大学
高エネルギー加速器研究機構
J-PARCセンター

概要

新潟大学自然科学系(理学部)の梅林泰宏教授、東京理科大学理工学部の渡辺日香里助教(研究当時、新潟大学大学院自然科学研究科博士後期課程在学)、山口大学大学院創成科学研究科の藤井健太教授、高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所の大友季哉教授らの研究グループは、山形大学、横浜国立大学の研究グループと共同で、新たにリチウムイオン電池(LIB)電解液として期待されている濃厚リチウム塩水溶液の液体構造を分子レベルで明らかにすることに成功しました。従来のLIBに用いられてきた有機溶媒に代わって、水を溶媒に用いた電解液は、安価で安全性の高いLIBの実現につながります。今回の成果は、水溶液を用いたリチウムイオン二次電池(水系リチウムイオン電池)の開発を一歩前進させました。

これらの研究成果は、2021年7月1日、アメリカ化学会の物理化学誌「Journal of Physical Chemistry B」にオンライン公開されました。また、同年7月15日発行の同誌に掲載されるとともに、Supplementary Journal Coverに選定されています。

本研究成果のポイント

◆水系リチウムイオン電池の実用化には、水の分解を抑える皮膜の形成が不可欠
◆電解液の液体構造が良好な皮膜形成の鍵を握る
◆濃厚リチウム塩水溶液の液体構造の分子レベルでの解明に成功
◆水系リチウムイオン電池の実用化に近づいた

詳しくは  プレスリリース  をご参照ください。