【8/11開催】第2回メディアサロン(KEKプレス勉強会)のお知らせ

報道関係者各位

大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構

8月11日(水)14時00分から、2021年度第2回メディアサロン(KEKプレス勉強会)「加速器も測定器も世界最高性能へ – SuperKEKB/Belle II国際共同実験の最新情報解説 -」を開催します。

KEKは「SuperKEKB(スーパーケックビー)加速器」を用いて大量に作られる様々な粒子の生成や崩壊過程から、素粒子に関する物理現象を研究する「Belle II(ベル・ツー)国際共同実験」を行っています。この加速器は電子と陽電子を光速近くに加速して衝突させる周長3キロの加速器で、前身のKEKB加速器の数十倍のルミノシティ(衝突性能)を実現することを目指し改造され、2019年に本格稼働を開始しました。2020年6月15日にSuperKEKB加速器は世界最高記録となる瞬間ルミノシティ(衝突性能)2.22×10³⁴cm⁻²s⁻¹を達成した後、現在も瞬間ルミノシティ 、さらに1日と1週間の積分ルミノシティの世界最高記録を更新し続けています。

SuperKEKB加速器の衝突点にはBelle II測定器が設置されており、電子・陽電子の衝突で大量に作られるB中間子、D中間子、タウ粒子などの崩壊過程を詳しく観測・分析し、宇宙の物質生成の謎やダークマター(暗黒物質)の存在など、標準理論では説明のつかない新しい物理現象を探索しています。最新のデータ解析結果から、Belle II測定器の中心に設置されている崩壊点検出器(VXD)は、D中間子の崩壊時間を世界最高精度で測定できるほどの性能を持つことが実証されました。D中間子の崩壊時間はD中間子の崩壊点の違いから求めるので、これを高精度で測定できるということは、B中間子と反B中間子の崩壊の様子もVXDで精度良く測定できるということです。高い位置分解能(位置決定の精度)とデータ量のおかげで、今度、Belle II実験では、より高い精度でCP対称性の破れが観測できると期待されています。

今回のメディアサロンでは、SuperKEKB加速器の最近の稼働状況や、VXDを用いたD中間子の寿命測定の最新結果など、SuperKEKB/Belle II国際共同実験の進捗状況を解説します。さらに、今後の物理解析の展望もご説明します。

日時

8月11日(水) 14:00〜15:30頃終了予定

場所

Zoom によるオンライン記者勉強会

説明者

名古屋大学素粒子宇宙起源研究所特任准教授
吉原 圭亮

高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所助教
中村 克朗

お申込み先

参加をご希望の方は、8月10日(火)17:00までに以下のURLからお申し込みください。https://forms.gle/wTUjKQZtvK421t36A

お申し込みいただいた方には当日の午前中までにZoomの接続情報等をご案内させていただきます。

スケジュ-ル

  • 14:00-14:25「SuperKEKB/Belle II 運転状況」:吉原 圭亮 特任准教授
  • 14:25-14:45 質疑応答
  • 14:45-15:10「最近の物理成果と今後の展望」:中村 克朗 助教
  • 15:10-15:30 質疑応答

※終了後にも研究者とオンライン上でお話いただける機会もご用意いたします。

問合せ先

高エネルギー加速器研究機構 広報室
TEL: 029-879-6046
E-mail:press@kek.jp