KEKでは研究で蓄積された知見や加速器科学について一般の方に広く紹介し、興味や関心を持っていただくことを目的に年2回、公開講座を開催しています。
2022年度第2回の公開講座を10月22日(土)にオンラインにて開催します。参加をご希望の方は、事前申し込みをお願いします。
開催概要
「中性子・ミュオンビームを使ったエネルギー問題へのチャレンジ」
- 13:30〜14:30(Zoomウェビナー開場 13:00頃)
- 講義1「中性子ビームを用いた水素研究」
- 大友 季哉(おおとも としや)KEK 物質構造科学研究所 教授
- 14:45〜15:45
- 講義2「ミュオンビームを用いたリチウムイオン電池研究」
- 梅垣 いづみ(うめがき いづみ)KEK 物質構造科学研究所 助教
- 事前予約制(申し込みにはPeatixまたはconnpassへの会員登録が必要です)
- 対象 中学生以上
- 定員 300名(先着順)
- 申込〆切 10月21日(金)23:59
申し込みフォーム
KEK公開講座・申し込みフォーム(Peatixまたはconnpassへの会員登録が必要です)
個人情報の取り扱い
申し込みフォームに記載いただく個人情報は、本プログラムに関するもの以外の目的での利用や第三者に対する開示をすることはありません。
入力いただいた情報は、下記のご案内などに利用させていただきます
- フォームに入力した内容のコピーの自動返信
- Zoomウェビナーの接続情報のお知らせ
- イベント終了後のアンケートのお願い
講義1
講師
高エネルギー加速器研究機構
物質構造科学研究所 大友 季哉(おおとも としや) 教授
概要
水素は宇宙でもっとも多く存在する元素で、地球の環境の源であり、生命活動の基盤であり、私たちが生きていく上で不可欠な元素です。また、量子力学が確立されるうえで重要な役割を果しています。
最近では、水素は持続可能な新しいエネルギー源として注目されています。新しいエネルギー源として水素を利用するためには、水素の製造、貯蔵、輸送、利用(発電)において様々な技術開発が必要で、それぞれ水素を観測することが重要になります。一方で、陽子1個、電子1個からなる最も単純な元素である水素は、最も観測が難しい元素でもあります。中性子は、水素の位置や動きを観測することができます。茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設(J-PARC)では、世界トップレベルの中性子ビームを利用できる施設(J-PARC物質・生命科学実験施設)が稼働しており、さまざまな水素研究が行われています。エネルギー関連の研究を中心に、最新の研究を紹介します。
講義2
講師
高エネルギー加速器研究機構
物質構造科学研究所 梅垣 いづみ(うめがき いづみ) 助教
概要
私たちの生活の様々なところにリチウムイオン電池が使われています。スマートフォンやパソコンだけでなく、家電や自動車、航空機に渡り、リチウムイオン電池が電気を供給しています。電池に求められるのは、一回にたくさん充電できること(大容量)、短時間で充電できること(急速充電)、何度も繰り返し使用できること(長寿命)。さらに軽量で、安価で、安全な電池、とその性能向上や安全のために研究開発がなされています。
J-PARCの大強度ミュオンビームを活用すると、リチウムイオン電池がどのくらい早く充電できるかを決める、リチウムイオンの動きを見ることができます。また、「電池の減りが早い」と感じる時の、リチウムが別の形態に変化している様子も捉えることができます。今回は、J-PARCで取り組まれている、ミュオンを用いた電池の性能を高めるための研究や、安全な回収・再利用のための研究について紹介します。
問い合わせ先
KEK広報室
電話 029-864-5113
FAX 029-879-6049
メール kouza@kek.jp