KEKは大阪・関西万博に参加します

トークとアートで、見えない世界を感じる

高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、加速器と呼ばれる装置で、宇宙・物質・生命の謎に迫る研究機関です。宇宙で一番小さい粒「素粒子」を使って宇宙初期の現象を調べる研究や、物質の構造を調べる研究をしています。本部は茨城県つくば市にあります。

今回、大阪・関西万博にて、KEKの研究をより多くの方に体感していただけるアート展示1つとステージ企画2つを実施します。素粒子という「見えないもの」に向き合う研究、「見えない世界」を表現するアートを通じて、私たちを取り巻く「宇宙」の世界を多角的にひもときます。

エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術

2025年は国連の「国際量子科学技術年」です。それを記念して、大阪・関西万博を会場に、内閣府、文部科学省が企画展「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」を開催します。本展は、量子のミクロの世界、私たち生命を育む海洋と地球、そして広大な宇宙という3つのテーマを、科学・技術・芸術のコラボレーションを通じて多くの方に体感していただくことを目的としています。
KEKはこの企画展にアート展示とステージ企画1つで参加します。

【アート展示】「宇宙を見る多様なまなざし(KEKアーティスト・イン・レジデンス2025作品展示)」

KEKは2025年4月18日(金)〜5月16日(金)、アーティストが一定期間KEKに滞在し、研究者や学生と交流しながら創作活動を行う取り組み「KEKアーティスト・イン・レジデンス2025(KEK AiR 2025)」を、つくば市との協働のもと開催しました。アートユニットアートユニット「片岡純也+岩竹理恵」(https://kataoka-iwatake.tank.jp/)がKEK滞在期間に28人もの研究者に取材、14の施設を見学して作品を制作しました。展示されるのは超弦理論、フレミングの左手の法則、波・粒・力の関係性など、滞在期間に得たインスピレーションを基にした作品です。彼らの、あらゆる境界を捉え直すまなざしを体感してください。
公式ページ:https://www.qst.go.jp/site/entangle-moment/exhibition.html#sec9

開催概要

会期|2025年8月14日(木)~8月20日(水)
時間|10:00~20:00(入場は閉館の30分前まで)※変更の可能性あり
場所|大阪・関西万博 EXPOメッセ「WASSE」

【ステージ企画①】「見えない世界を知るために 量子・宇宙」

私たちの常識とは異なるふるまいをする「量子」。「宇宙」の大半を占めながら正体がわかっていないダークマターやダークエネルギーなど、「見えないもの」への探究がサイエンスの最前線で続いています。本イベントでは、こうした「見えないもの」への科学的アプローチを軸に、どのように感知して共有できるのかを考えます。第1部では、ダークマターや原始重力波など「見えないもの」の探究の歴史や最新の研究を村山斉教授が紹介。また、第2部のパネルディスカッションでは、科学者、視覚障害者支援の研究者、アーティストが、それぞれの立場から「見えない世界」に向き合う視点や体験を語り合います。
公式ページ:https://www.qst.go.jp/site/entangle-moment/stage.html#17-3

開催概要

日時|2025年8月17日(日)15:30〜17:00
プログラム|
15:30〜16:00 講演|村山 斉(東京大学 特別教授/UCバークレー校 MacAdams冠教授)
16:00~17:00 トークセッション|村山 斉、浅井祥仁(KEK機構長)、宮城愛美(筑波技術大学 准教授)、森脇裕之(多摩美術大学 教授) 司会:元村有希子(KEK理事)
※この企画に参加するチケットは事前予約が可能です。また、空席があれば当日整理券を配布します。(事前予約は公式サイトをご覧ください)
場所|大阪・関西万博 EXPOメッセ「WASSE」 South
協力:日本科学未来館、筑波技術大学

わたしとみらい、つながるサイエンス展

本イベントは、文部科学省が主催する、大学をはじめ企業や自治体が協働する研究プロジェクトの成果を発信するイベントです。サイエンスがつなぐ未来社会の姿を身体で感じることで、未来を担う世代が社会課題を自分ごととして捉え、それぞれが主役となり「未来にどんな社会を作りたいか」を考えてもらうきっかけづくりを行います。また、展示を通して「研究者」を身近に感じてもらいたいと考えています。
公式ページ:https://www.mext.go.jp/a_menu/expo_watashitomirai/index.html

【ステージ企画②】素粒子ミュオンがひらく未来~科学×アートのアプローチ~

当イベントの期間中に開催されるステージイベントにおいて、つくばエリアの一員として登壇します。素粒子の一つであるミュオンは古代ピラミッドの内部構造の解明や文化財の非破壊観察など芸術や歴史研究にも活用されはじめています。宇宙線ミュオンを使ってアートと科学をつなぐ筑波大学の逢坂卓郎名誉教授と、加速器で人工的にミュオンを生み出してさまざまなものの「見える化」に取り組むKEKの下村浩一郎特別教授が登壇。科学の視点から未来を語り合い、科学者と来場者が「見えないものを見る力」について考える時間を創出します。

開催概要

日時|2025年8月18日(月)13:00~13:30
登壇者|
下村 浩一郎(KEK物質構造科学研究所 ミュオン科学研究系 特別教授)
逢坂 卓郎(美術家 筑波大学名誉教授 博士(芸術学))
入江 敦子(KEK物質構造科学研究所 広報)
場所|EXPO メッセ「WASSE」North

お問い合わせ先

高エネルギー加速器研究機構(KEK)広報室
Tel : 029-879-6047
e-mail : press@kek.jp

アート展示の取材ご希望で、万博のメディアパスをお持ちでない方は、氏名、所属、所属組織の住所、取材希望日時、携帯電話番号を書いたメールを上記アドレスに7月31日(木)までにお送りください。万博のメディアパスをお持ちの方は8月13日(水)までにご連絡ください。アーティスト(片岡氏、岩竹氏)は展示期間中は会場周辺にいますが、取材のアレンジも可能です。8月14~17日を推奨します。

ステージ企画①またはステージ企画②の取材ご希望で、万博のメディアパスをお持ちでない方は氏名、所属、所属組織の住所、取材希望日時、携帯電話番号を書いたメールを上記アドレスに7月31日(木)までにお送りください。万博のメディアパスをお持ちの方は企画の前日までにご連絡ください。