

芸術家がKEKに滞在し、研究者や学生との交流を通じて新たな着想を得て、作品を創作する「KEKアーティスト・イン・レジデンス2025(KEK AiR 2025)」を実施します。難解なイメージのある素粒子物理を、芸術を切り口とすることで多くの方に知っていただくことを目指します。
概要
2025年4月18日(金)~5月16日(金)、「KEKアーティスト・イン・レジデンス2025(KEK AiR 2025)」を実施します。これは、つくば市が隔年で開催している「つくばサイエンスハッカソン2025」の一環として行うもので、芸術家がKEKに滞在し、研究者や学生との交流を通じて新たな着想を得て、作品の制作につなげます。参加するのはつくば市の委嘱を受けたアートユニット「片岡純也+岩竹理恵」の両氏で、テーマは「宇宙」です。
制作は滞在期間中はKEK、滞在終了後は両氏のアトリエで行われ、完成した作品は、8月1日(金)~11日(月・祝)つくば美術館で開催する「つくばメディアアートフェスティバル2025」で展示したあと、8月14日(木)~20日(水)、大阪・関西万博にて内閣府、文部科学省が主催する企画展「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」で展示する予定です。
KEK AiR 2025の日程の多くはKEK関係者限定の行事ですが、4月19日(土)、4月23日(水)~5月9日(金)の11:00~14:00に開く「ミニ個展」は一般にも公開します。「片岡純也+岩竹理恵」の過去の作品の一部を展示し、両氏と対話することもできます(不在のときもありますのでご了承ください)。会場はKEKの常設展示「KEKコミュニケーションプラザ」に近い「多目的スペース」です。初日の4月19日は、KEK春のキャンパス公開の一部として行います。

また初日となる4月18日(金)17:30からKEK構内で「トークショー&交流会」を開催します。「片岡純也+岩竹理恵」の両氏に参加していただくほか、KEKの研究者も参加して話をすることを想定しています。報道関係各位におかれましては、事前申し込みの上、ご取材くださいますようご案内申し上げます。また、以降のイベント等でもご希望がございましたら取材いただくことが可能です。
KEK AiR 2025を通じ、研究者と芸術家が相互に刺激を与え合い、研究者は科学や技術にこれまでにない視点や発想を、芸術家は芸術の新しい表現を生み出す新たな契機とするとともに、抽象的で難解なイメージのある素粒子物理を、芸術を切り口とすることで多くの方に知っていただくことを目指します。
主な日程
アーティスト滞在期間 2025年4月18日(金)〜5月16日(金)
トークショー&交流会(KEK関係者のみ)
4月18日(金) 17:30~19:30(KEK構内)
KEKにアーティストが滞在する——この試みは、お互いにどのような発想を生み出すのか?トークショーでは、アートユニット「片岡純也+岩竹理恵」のこれまでの作品を紹介するほか、「創造性・想像力・探求心」や作品作りの試行錯誤など語ってもらいます。
ミニ個展(一般参加可能)
4月19日(土)、4月23日(水)~5月9日(金)11:00~14:00(KEK構内)
過去作品を展示予定です(4月19日はKEK春のキャンパス公開内で実施。4月27日(日)、 29日(火、祝=昭和の日)、5月4日(日、祝=みどりの日)、 5日(月、祝=こどもの日)、 6日(火=みどりの日の振り替え休日)は休みます)。
研究者、学生との対話セッション(KEK関係者のみ)
「片岡純也+岩竹理恵」の両氏と研究者の対話セッションを複数回実施。相互の専門分野について議論し、知識を深めます。施設見学も行います。
ワークショップ『やじろぐ枝』(KEK関係者のみ)
5月8日(木)(KEK構内)
片岡さんの作品《やじろぐ枝》を題材として、ヤジロベエの原理を用いた作品づくりを行い、研究者や学生に向けて芸術的アプローチや思考方法を共有します。
クロージングイベント(KEK関係者のみ)
5月16日(金)(KEK構内)
AiRを通じた作品構想の紹介などを行います。
作品展示
つくばメディアアートフェスティバル
8月1日(金)~11日(月)(茨城県つくば美術館、つくば市吾妻2-8)
大阪・関西万博 企画展「エンタングル・モーメント ―[量子・海・宇宙]× 芸術」
8月14日(木)~20日(水)(EXPOメッセ「WASSE」)
https://www.qst.go.jp/site/entangle-moment/

つくばサイエンスハッカソン
2019年G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合のつくば市開催を契機として開催された、アーティストと研究者の共創による作品制作イベントで、4人の科学者と4人の芸術家を選定してマッチングを実施し、つくば市内の古民家で作品を展示しました。つくば市の文化芸術推進基本計画の「科学技術と融合した文化芸術の振興」に係る事業として、「つくばメディアアートフェスティバル」の企画の一つとして継続実施しています。2021年には「海洋」をテーマに筑波大学と、23年には「太陽」をテーマにJAXAと連携し、つくば美術館での「つくばメディアアートフェスティバル」で展示しました。今回は4回目となりますが、芸術家が約3週間にわたって滞在する「アーティスト・イン・レジデンス」として開催するのは初めての試みになります。
滞在芸術家
片岡純也+岩竹理恵
ともに2010年、筑波大学大学院博士前期課程芸術専攻を修了。2013年のパリでのレジデンスを機に、アートユニットとしてインスタレーションの制作を始める。日常のささやかな出来事をシンプルな現象で再現するキネティック作品と、印刷物などから想像や類推でイメージを展開させていく平面作品を組み合わせた空間構成が特徴的で、素材や図案の出会いに物語を生み個々の作品の題材がゆるやかに響きあう手法を使う。重力と素材のための図鑑 (2024 / 神奈川県立近代美術館鎌倉別館)、瀬戸内国際芸術祭2022、MOTアニュアル2020(東京都現代美術館)、BankART Under35(2017 / BankART NYK)など。

お問い合わせ先
高エネルギー加速器研究機構(KEK)広報室
Tel : 029-879-6047
e-mail : press@kek.jp
取材ご希望の報道関係者の方は、氏名、所属、取材希望日時、携帯電話番号を書いたメールを上記アドレスにお送りください。