Study of surface resistance of the Nb/Cu cavities in HIE-ISOLDE
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開始 | 2017/10/30(月)13:30 |
終了 | 2017/10/30(月)14:30 |
会場 | 1号館1階 談話室−1 |
講演者 | 宮崎 彬氏 (CERN) |
言語 | 日本語/Japanese |
連絡先 | 加古 永治 (PHS 4325) |
ウェブサイト | |
食堂・売店 | 利用予定なし/0 |
概要
重イオン線形加速器HIE-ISOLDEの超伝導加速空洞における最近の展開について紹介する.
CERNでは80年代からLEP-II, LHCといった加速器においてニオブフィルムを銅共振器にスパッタリングしたNb/Cu加速空洞を開発・運用してきた. 1/4波長共振器を用いるHIE-ISOLDEプロジェクトでも同様の手法を採用し, 加速器の延長と物理ランを2015年以降毎年行っている. LHCやHIE-ISOLDE等のプロジェクトではNb/Cu共振器の設計値は達成されているが, 有限の電磁場でQ値の下がる「Q-slope」と呼ばれる未解決問題が, ILCのように高勾配を要求する加速器への採用を阻んでいる. このセミナーでは, まず低いRFにおいて測定されたQ値をBCS理論によって説明することから始める. これは一見すると自明な課題のようだが, スパッタリング結晶の細かい構造を考慮してバルクニオブにおける文献値を参照しない場合,BCS理論の数学的構造が単純なデータフィティングを困難にすることを指摘する.発表者の考案した手法により, 一般にどのような解析手法をとればBCS理論を用いて実験データを解釈することが可能になるかを述べる. 引き続きQ-slopeに関する理論的仮説を例を上げて概観する. まずBCS理論の拡張に関してA. Gurevichの理論を紹介し, N-doped共振器で観測されるようなanti-Q-slopeが予言され, 超伝導ギャップの減少によるQ-slopeは一般に説明されないことを確認する. 次にR. Vaglioによる熱的不安定性のモデルと, 発表者によるデータ結果結果に関して議論する. このモデルの有効性は完全には確認されていないが, 状況証拠に基づきに我々の設計・開発した無溶接共振器の実験結果を見せる. この共振器は現在クライオモジュールへのインストールが完了し, 今年の冬に加速器トンネルへと設置される予定である. 最後に束縛磁場の影響に関して, 従来の線形化されたBardeen-Stephanのモデルでは実験結果を説明できないことを示す. ごく最近コーネル大学によって提案されたCollevtive Pinning Effectと実験結果を比較し, 将来におけつ研究の方向性に関して議論する.
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