金夜サイエンスカフェ「加速器だから見える未来×宇宙から見える未来 −つくばの研究所って何してるの?−」を開催しました

茨城県内の研究機関の紹介や見学コースの提案などを行うつくばサイエンスツアーオフィスの主催で「金夜(きんよる)サイエンスカフェ」が行われました。これは、つくば市内に数ある研究教育機関が話題を提供し、誰でも気軽に科学を楽しめる場を提供するイベントです。このサイエンスカフェの特徴は、各研究所がそれぞれ企画を実施するだけでなく、研究所横断でも開催される点です。研究所間のつながりを広く一般に感じてほしいという思いから、つくばサイエンスツアーオフィスが企画し、研究機関に呼びかけたものです。

第一回として、12月1日に「加速器だから見える未来×宇宙から見える未来 −つくばの研究所って何してるの?−」と題し、KEKと宇宙航空研究開発機構(JAXA)、物質・材料研究機構(NIMS)のコラボレーションでサイエンスカフェをお届けしました。30人近くが参加し、参加者からの質問も交えながら進めました。

ファシリテーターの松井 龍也氏

ファシリテーターを務めた、NIMSでアウトリーチチームに所属する松井 龍也(まつい・たつや)氏は「かつてはつくばでもサイエンスカフェが盛んだったが、コロナ禍で減ってしまった。再開を望む声もあり、この金夜サイエンスカフェで市民のみなさんに科学に触れる機会を提供することができてうれしい」と口火を切りました。

素粒子実験に使う「衝突型加速器」と物質・生命研究に使う「放射光加速器」の違いを解説する東助教

はじめに、KEK加速器研究施設・総合研究大学院大学から、加速器の電子ビームコントロールに携わる東 直(ひがし・なお)助教がKEKにある加速器の種類や研究を解説しました。加速器を使った実験として、探査機はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウの試料測定やアスファルトの長寿命化実験などを紹介しました。

「こうのとり」とHTV-Xの太陽電池のパネルの違いについて、来場者からの質問に答える飯田氏

次に、JAXAから国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給機の「こうのとり」、HTV-X (こうのとり)の後継機)について植松 洋彦(うえまつ・ひろひこ)氏、飯田 彩乃(いいだ・あやの)氏が概要を紹介し、お互いの研究の関連する部分についてクロストークしました。植松氏は宇宙でタンパク質の結晶を作り創薬に役立てるという実験を挙げて、KEKで行っている物質・生命研究との関連を示しました。

「比べてみた!KEK×JAXA」と題したクイズを出題している様子

最後に、クイズ形式でお互いの研究所について紹介しました。「KEK × JAXA × NIMS どんなコラボを期待されますか?」という質問に対し、松井氏からはLiteBIRDという人工衛星が3機関合同で開発がなされているとの解説もありました。

金夜サイエンスカフェは2024年3月8日まで毎週金曜日の夜7時から(回によって変更あり)つくばセンタービル内co-enにて開催されます。

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