【2024年度】第2回 物構研コロキウム

         

開催日時

2024/7/30(火)15:00〜16:00

開催場所

東海キャンパス(MLF実験棟2階_ MLF第1会議室) & zoom

講演者

篠原 武尚  日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター

言語

日本語

お問い合わせ

パルス中性子ビームを用いたイメージング研究の展開

中性子を用いたイメージングは、中性子の持つ高い物質透過能力と軽元素に対する感度の高さを利用して非破壊で物体内部を観察する技術として利用されています。しかしながら、大きな物質の内部の観察や閉鎖空間中の水などの液体の挙動が観察できるなどの長所がある一方で、得られる画像の分解能の低さや測定に必要な時間の長さといった中性子強度の弱さに起因する短所によって、その応用先はX線を用いたラジオグラフィ/トモグラフィと比べて限定的となっています。

これまでの中性子ラジオグラフィ/トモグラフィ実験は、研究用原子炉などの定常中性子源において実施されてきましたが、最近はJ-PARCのような加速器を用いたパルス中性子源施設においても専用の実験装置が建設されるようになりました。パルス中性子を用いる利点は、飛行時間分析を利用することで効率良く中性子エネルギー(もしくは波長)に依存した透過率の変化を場所ごとに取得して、解析することができることにあります。その結果、ブラッグエッジイメージングや中性子共鳴吸収イメージングといった中性子エネルギー分析型のイメージングが実施されるようになりました。この他にも、本来中性子エネルギーに依存する相互作用を利用したイメージング、たとえば磁場中での中性子スピンの挙動を利用した磁場イメージングや干渉現象を利用したイメージングなどの新しい手法の開発が積極的になされ、この10〜15年間で中性子を用いたイメージングは大きな展開を見せました。 本講演では、J-PARCの物質・生命科学実験施設に建設された中性子イメージング装置においてどのような研究開発が行われてきたかを紹介し、これまでの中性子ラジオグラフィ/トモグラフィからどのように技術が発展してきたかを説明します。また、講演者の視点から考えた今後の中性子イメージングの展望について述べます。