cERLで製造した医療用RIから放射性医薬品原材料の高純度取り出しに成功

   

KEK加速器研究施設応用超伝導加速器研究センターは、エネルギー回収型線形加速器(Energy Recovery Linac:ERL)の小型実証機であるコンパクトERL(cERL)で製造した医療用RI(モリブデン99)から、放射性医薬品の原材料となるテクネチウム99mの高純度の取り出し試験に成功しました。株式会社アクセルレータからの委託研究で、KEKは加速器による医療用RI製造を目指しています。

共同研究者の株式会社千代田テクノルはKEK放射線科学センターと協力して、KEKつくばキャンパス放射性試料測定棟でモリブデン溶解、テクネチウム抽出実験を行いました。天然の金属モリブデンに19.5MeVの電子ビームを照射した試料を溶解し、カラム法と溶媒抽出法の両方でテクネチウム99mの抽出を試行し、どちらの手法でも高純度の取り出しができることが分かりました。

抽出前後のスペクトルをガンマ線検出器で比較すると、テクネチウム99mが高純度で抽出されています。大量の原料を商用に処理するための最適化はこれからです。カラム法は現在の製薬に使われている手法で、富士フイルム富山化学の共同研究者は「カラム法で溶出されたTc-99mは品質もかなりよさそうで、今後、スケールアップと放射能濃度の向上に期待している」とコメントしています。

この揮毫は、KEKの理事が、抽出したテクネチウム溶液を使って筆で紙に書いたもの。テクネチウム溶液は透明ですが、イメージングプレートで放射能を画像化して得られました。KEKは今後も超伝導加速器技術を用いて、社会に役立つ医療用RI製造の試験を進めていきます。

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