ピーター・ヒッグス博士ご逝去について

万物に質量をもたらすヒッグス粒子の存在を予言し、2013年にノーベル物理学賞を共同受賞した英国の物理学者ピーター・ヒッグス博士が4月8日に亡くなりました。

浅井祥仁機構長のコメント

「ヒッグス先生の訃報に接して、悲しく思っております。素粒子研究者にとって、ヒッグス粒子をみつけることは長年の夢で、世界中の研究者が協力して2012年にようやく発見することができました。この発見により、真空が宇宙の進化に重要な役割を果たしていることがわかり新しい時代の幕開けにもなりました。先生のご冥福を心からお祈り申し上げます」

ヒッグス粒子は2012年、欧州のLHC(Large Hadron Collider)での実験で発見されました。浅井機構長(当時は東京大学大学院理学系研究科准教授)は、LHCのATLAS実験のデータの解析で指導的役割を果たして発見に大きな貢献をしています。 ATLAS実験にはKEK素粒子原子核研究所の戸本誠副所長ら多数の研究者が参加しています。ヒッグス粒子の詳細測定は現在の物理学の最重要課題の一つで、KEKは、それを実現できる加速器である国際リニアコライダー (ILC)実現に向けた活動を行っています。

関連ページ